Google Cloud Platform (GCP)でVMインスタンスをデプロイすると、デフォルトでは外部IPアドレスはエフェメラル(動的)IPが割り当てられます。
エフェメラルIPはインスタンスの停止や再起動で変更される可能性があり、例えばデータベースに外部から接続する際などIPアドレスが変わってしまうと不便です。
このような場合に静的(固定)IPアドレスを利用することで、一度割り当てたIPアドレスをインスタンスの再起動後も維持できます。
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固定IPが必要となる典型的なユースケース
- Webサーバーの公開 ホームページなどのWebサービスを提供するVMでは、IPアドレスが頻繁に変わるとDNSの設定やアクセスに支障が出ます。 固定IPなら安定したドメインのAレコード設定が可能です。
- 外部からのリモート接続 社内に設置したファイルサーバー等にVPN越しや特定IPのみ許可でアクセスする場合、アクセス元・先双方で変わらないIPが必要です。
- 監視・IoT機器の接続 防犯カメラなど常時接続が必要な機器では、IP変更によりモニタリングが途切れないよう固定IPで安定した接続を保てます。
- IP制限によるセキュリティ向上 クラウドサービスやAPIで特定IPからのみアクセス許可する仕組みを使う場合、自身のサーバーやネットワークに固定IPが割り当てられていることでセキュリティ精度を高められます。
このように、「変わらないIPアドレス」が必要な場面でGCPの静的外部IPは大きな役割を果たします。
一方で、動的IP(エフェメラルIP)は自動的に割り当てられるため設定の手間がなく、短期間の検証などIPが変わっても問題ないケースでは動的IPのまま利用する方が簡便です。
目的に応じて使い分けましょう。
GCPで利用できるIPアドレスの種類
GCPが提供するIPアドレスには大きく外部IPと内部IPがありますが、本記事では主にインターネット経由で利用する外部IPにフォーカスします。
外部IPはさらにエフェメラル(Ephemeral)IPと静的(Static)IPの2種類に分類されます。
- エフェメラルIP(動的外部IPアドレス) VMインスタンス起動時に自動割り当てされる一時的な外部IPです。 デフォルト設定ではエフェメラルIPが付与され、インスタンスの停止・再起動時にIPが解除・再割当されるため、同じIPを保持できません。 一時的なテスト環境やIPアドレスの厳密な固定が不要な場合に向いています。
- 静的IP(固定外部IPアドレス) ユーザーが明示的に予約することで得られる固定の外部IPです。 インスタンスを停止・再起動してもそのIPを保持でき、インスタンスを削除しない限り変更されません。 必要に応じて既存のエフェメラルIPを静的IPに昇格(変換)することも可能です。
また、GCPの外部IPアドレスにはリージョナル(地域)IPとグローバルIPの区分があります。
これはIPアドレスのスコープ(適用範囲)の違いです。
- リージョナルIPアドレス 特定のリージョンに属する外部IPで、Compute EngineのVMインスタンスやリージョンロードバランサに割り当てて使用します。 例として東京リージョン(asia-northeast1)で予約した静的IPは東京リージョン内のVMやロードバランサで利用可能です。 リージョン内限定ですが、通常の単一VMの固定IPはこちらを使います。
- グローバルIPアドレス リージョンに属さないグローバルスコープの外部IPで、グローバルなロードバランサにのみ利用できます。 Anycast技術により単一のグローバルIPが世界中の複数データセンターを代表し、ユーザーから最も近いリージョンにルーティングされる仕組みです。 複数リージョンにまたがるサービスで単一IPを提供したい場合に使用します。 ただしグローバルIPは単一のVMには直接割り当てられない点に注意が必要です(VMに固定IPを付与する場合はリージョナルIPを選択する)。
まとめると 通常、単一VMやリージョン内サービスの固定IPには「リージョナル静的IP」を用い、GCPのグローバルHTTP(S)ロードバランサ等を構築する場合に「グローバル静的IP」を予約します。 次章では、実際にGCPで静的外部IPアドレスを予約・設定する方法を解説します。
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グローバル固定IPの設定方法(Cloud Console編)
GCPのコンソールを使って静的外部IPアドレスを予約・設定する手順を説明します。
ここでは例として、既存のVMインスタンスに割り当てられているエフェメラルIPを静的IPに昇格させる流れで紹介します。
これにより、現在そのVMが利用中の外部IPをそのまま固定IP化できます(もちろん未使用の新規静的IPを取得することも可能です)。
手順1 VPCネットワークのIPアドレス画面を開く まずGCPの管理コンソールにログインし、左上のメニュー(ハンバーガーメニュー)から「VPC ネットワーク」→「IP アドレス」をクリックします。 外部IPアドレスの一覧が表示され、現在のVMが使用中のエフェメラルIPもここに表示されます。
手順2 エフェメラルIPを静的IPに昇格する 一覧から固定化したいエフェメラルIPの行を探し、右端にある「︙」(メニュー)ボタンをクリックします。 「静的IPアドレスに昇格」という項目が表示されるので選択します。 これは現在の一時IPをそのまま解放せず予約扱いに変更する操作です。
手順3 静的IPアドレスの名前を入力して予約 「IPアドレスを昇格」ダイアログが表示されます。 静的IPにするにあたり、識別用の名前(任意の英数字)と説明欄(必要に応じて)を入力します。 ネットワークサービスティアやIPバージョン、タイプ(リージョン/グローバル)は用途に応じて選択可能ですが、通常VM用ならデフォルトのまま(リージョンIPv4)で問題ありません。 入力が完了したら「予約」をクリックします。
手順4 静的IPへの変更を確認 IPアドレス一覧に戻り、対象のIPアドレスの「種類」が「静的」になっていることを確認します。 これで、そのIPアドレスは静的に確保され、以後インスタンスを停止・起動してもこのIPが維持されます。
以上がCloud Console上で固定IPを設定する流れです。
なお、新規に静的IPを取得してからVMに割り当てる方法もあります。その場合は、IPアドレス画面上部の「外部静的アドレスを予約」ボタンから新しい静的IPを確保し、予約時に「接続先」として対象VMを選択します。
こうすることで未使用の固定IPをあらかじめ取得し、即座に特定VMに紐付けておくことが可能です。
❗ポイント: VMインスタンスの作成時にもネットワーク設定で「新しい静的IPを予約」する選択肢があります。インスタンス起動と同時に固定IPを割り当てたい場合は、VM作成ウィザード内のネットワークインターフェース設定でエフェメラルではなく予約済み静的IPを指定するか、新規静的IPを作成してください。
VMインスタンスへの固定IP割り当て方法
前述の手順では既存VMの外部IPを静的に変更しましたが、別の観点から「固定IPをVMに割り当てる方法」を整理します。
主に次のような方法があります。
- (A) インスタンス作成時に固定IPを指定 Compute EngineのVM作成画面でネットワーク設定を開き、外部IP欄で「新しい静的アドレスを予約」または既存の予約済み静的IPを選択できます。 これによりVM起動と同時に固定IPが割り当てられ、エフェメラルIPが付与されるのを防げます。
- (B) 稼働中VMのエフェメラルIPを固定IPに昇格 手順3で解説した方法です。 コンソール上でワンクリックで固定化でき、ダウンタイム無しにそのIPを確保できます。 手軽な方法ですが、一度VMにエフェメラルIPが付与されている必要があります。
- (C) 別途予約した静的IPを既存VMに関連付け すでに使っていない静的IPを確保してある場合、コンソールの「IPアドレス」一覧からそのIPの「接続先」を編集し、対象VMに割り当てることができます。 あるいはVMの詳細画面でネットワークインターフェースを編集し、外部IPにその静的IPを選択する方法もあります。 エフェメラルIPが付いていた場合は変更操作時に自動で切り替わります。
いずれの方法でも、結果的にVMには1つの静的外部IPが結びつくことになります。
必要に応じて、停止→起動の操作やアクセス構成の付け直しが発生しますが、サービス継続性を確保しつつIPを固定化することが可能です。
また、静的IPは他のインスタンスへ付け替えることも可能です。 例えばWebサーバーVMを新しいインスタンスに差し替える際、旧VMから静的IPを解放し新VMに割り当て直すことで、同じIPでサービスを引き継ぐことができます(AWSのElastic IPと同様にIPアドレスを動的に再関連付けできます)。
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gcloudコマンドで静的IPを設定する方法
GUIではなくCLIから設定したい場合、Google Cloud SDK(gcloudコマンド)を使って静的IPの予約・割り当てが可能です。
ここでは一般的な操作手順とコマンド例を紹介します。
- 静的外部IPアドレスを予約する まず、プロジェクト内で固定IPを予約します。 リージョンIPかグローバルIPかによってコマンドが異なりますが、基本構文は以下の通りです。
- リージョン静的IPの場合
gcloud compute addresses create <ADDRESS_NAME> --region=<リージョン名>
例: 東京リージョンに「my-static-ip」という名前でIPを予約する場合
gcloud compute addresses create my-static-ip --region=asia-northeast1
- グローバル静的IPの場合
gcloud compute addresses create <ADDRESS_NAME> --global --ip-version=<IPv4またはIPv6>
例: グローバルIPv4アドレスを「global-ip1」という名前で予約する場合
gcloud compute addresses create global-ip1 --global --ip-version=IPV4
上記コマンドにより、新たな未使用の静的外部IPがプロジェクト内に確保されます。
gcloud compute addresses listコマンドで予約済みIPの一覧とステータス(IN_USEかRESERVEDか)を確認できます。
- VMインスタンスに静的IPを割り当てる 次に、その予約済みIPを特定のVMに関連付けます。
新規VMを作成する場合は、gcloud compute instances createコマンドに--addressオプションを付与し、IPアドレスまたは予約名を指定することで、最初からそのIPを割り当てた状態でVMを起動できます。
既存のVMに後から割り当てる場合は少し手順が増えます。
原則として一度VMから現在の外部IP(エフェメラル)をデタッチ(削除)し、次に新しい静的IPをアタッチ(追加)する操作になります。
具体的には以下の2コマンドです。
(a) VMから既存の外部アクセス構成を削除する
gcloud compute instances delete-access-config <インスタンス名>
—access-config-name “External NAT”
(b) VMに新しいアクセス構成を追加し、固定IPを割り当てる
gcloud compute instances add-access-config <インスタンス名>
—access-config-name “External NAT” —address <予約済みIPアドレス>
--access-config-nameには現在のネットワークインターフェースで使われているアクセス構成名を指定します(デフォルトでは "External NAT" になっていることが多いです)。
上記(a)でエフェメラルIPが解除され、(b)で指定した静的IPが割り当てられます。最後にgcloud compute instances describe <インスタンス名>で該当インスタンスのネットワーク欄を確認し、希望の静的IPが付与されたことを検証してください。
🔧 参考: エフェメラルIPを保持したまま静的IPに変えるワンステップのgcloudコマンドは用意されていません。そのため手動では上記のようにアクセス構成を付け直す必要があります(コンソールでは内部的にこれを自動処理して「昇格」を実現しています)。
CLIでの操作はスクリプトに組み込んだり自動化したりする際に有用ですが、単発の設定であればコンソールからの操作のほうが簡便です。ご自身の用途に応じて使い分けてください。
静的IP利用時の料金体系と注意点
Google Cloudにおける外部IPの料金は、エフェメラルIP・静的IPかに関わらず基本的に使用中であれば課金が発生します。
ただし未使用状態の静的IPにはより高い料金レートが適用される仕組みです。
具体的には以下のポイントを押さえておきましょう。
- インスタンスに関連付けられ使用中の静的IP/エフェメラルIP 標準VMの場合、約$0.005/時(約0.5セント/時)の料金が発生します。 月額にすると3~4ドル程度(約数百円)です。エフェメラルIPだから無料というわけではなく、2020年以降GCPでは稼働中VMの外部IP利用には課金が発生しています(無料枠は月あたり数時間のみ)。 したがって静的IPであってもVMに付いて使用中であれば追加コストは基本的に同等と考えて良いでしょう。
- 未使用の静的IP 静的IPを予約しただけでどのリソースにも割り当てていない場合、使用中よりも高いレート(標準で$0.01/時前後、約1セント/時)が課金されます。 これは使われていない固定グローバルIPの無駄確保を防ぐための料金体系です。そのまま一ヶ月放置すると約7ドル程度(数百~千円弱)のコストになるため注意が必要です。
要注意 *「インスタンスが削除されIPだけ予約状態になっている」*ケースです。 例えばVMを削除した際、そのVMに付与していた静的IPは自動では解放されずプロジェクトに残ります。 ユーザーが明示的にリリース(解放)しない限り未使用の固定IPとして課金対象になるため、不要になった静的IPアドレスは必ず削除しましょう。 逆に言えば、VMさえ存在しそのIPが紐付いていればVMが停止中でも「使用中」とみなされ、未使用料金は発生しません(エフェメラルIPはVM停止時に自動解放されます)。 この違いも踏まえ、コスト管理に気を配りましょう。
なお、Google Cloudの無料利用枠では外部IPについて月あたり1時間分の無料枠が提供されています。
これはごく短時間のテスト向けであり、常時運用には基本適用外と考えてください。
長期間固定IPを利用する場合は上記レートでの課金が発生する前提で予算を見積もる必要があります。
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Google Cloudで固定IPを使うメリット・デメリット
メリット(利点)
- IPアドレスが変わらない安心感 静的IPならインスタンス再起動や障害発生時にもIPが変化せず、サービス利用者側の設定変更を避けられます。 例えばDNSのAレコードを固定IPに紐付けておけば、インスタンスを差し替えても同じドメインでサービスを提供し続けられます。
- サービスの高可用性確保 静的IPを利用することで、バックエンドサーバー障害時に別のインスタンスへIPを付け替えて迅速にサービスを復旧できます。 ダウンタイムを最小限に抑える冗長構成にも役立ちます(Elastic IPと同様の利点)。
- 外部サービス連携 クライアントや外部システムが特定IPからの接続を必要とする場合、GCP上でその発信元IPを固定できます。 例えば外部APIがこちらのグローバル固定IPをホワイトリスト登録している場合、GCPのVMやCloud NAT経由の通信は常にそのIPから発信され、接続元IP制限に対応できます。
- VPN等での利用 固定IPがあれば、自社ネットワークへのVPN接続や社内システムへのアクセス時に接続元IPアドレスによる制限が可能です。 不特定多数からのアクセスを防ぎ、セキュリティを強化できます。
デメリット(留意点)
- 追加コストが発生 前述の通り、外部固定IPの利用には月数百円程度のコストがかかります。 他クラウド(AWS等)でも同様で、適切に管理しないと不要な課金が発生します。 動的IPに比べコスト増となる可能性がある点はデメリットです。 特に使っていない静的IPの放置は無駄な出費となるため注意しましょう。
- 設定の手間 静的IPの取得・解放はユーザーが管理する必要があります。 動的IPであれば自動割当・解放される部分を、手動操作し忘れると課金やアドレス枯渇に繋がります。 また、静的IPを付け替える際にはアクセス構成の操作などネットワーク知識が求められる場面もあります。
- セキュリティリスクの指摘 固定IPは常に同じため悪意ある第三者から標的にされやすいという指摘もあります。 IPが特定されやすく攻撃に晒される可能性があること、万一侵害された際にIP変更で回避しづらい(動的IPなら再取得で変えられる)ことは留意が必要です。 もっとも、適切なファイアウォール設定やセキュリティ対策を施せば静的IP利用自体が直接の脆弱性となるわけではありません。
以上のように、GCPで固定IPを使うことはサービスの安定運用やセキュリティ強化に寄与しますが、一方でコスト管理や設定ミスによるリスクも伴います。
メリット・デメリットを理解し、プロジェクト要件に応じて採用を判断しましょう。
他サービスとの比較とロリポップ固定IPの違い
クラウドにおける固定IPの概念はGCP特有のものではなく、AWSやAzureなど主要クラウドでも提供されています。
例えばAWSではElastic IPと呼ばれる静的IPがあり、GCP同様に未使用時に課金が発生する仕組みです。
AWSでは長らく「アタッチされた最初のEIPは無料」などの条件がありましたが、2024年以降はすべてのパブリックIPv4に$0.005/時の料金が課金される形に変更される予定です。
このように各クラウドで細かな料金体系の違いはあるものの、「必要なときだけ固定IPを使い、使わないときは解放する」という基本原則は共通しています。
オンプレミス環境の場合は、インターネットサービスプロバイダ(ISP)から有料オプションで固定グローバルIPを取得するケースが一般的です。
例えば国内ISPでは月額数百円~数千円程度で1つの固定IPを割り当てるプランがあります。
クラウドとオンプレを比較すると、クラウドの固定IPはインフラとセットで柔軟に再割り当てできる(サーバ障害時に別VMに付け替え等)利点がある反面、オンプレIPは契約回線に紐づいて固定されるため単独では柔軟性に欠けます。
ただしオンプレIPはプロバイダ契約さえ維持すれば自社ネットワークのルータ等に常につけられるため、用途次第ではそちらが便利な場合もあります。
ここで特に注目すべきは、ロリポップ!レンタルサーバーの「固定IPアクセス」サービスとの違いです。
ロリポップ!が提供する固定IPアクセスは、クラウドでサーバーを立てなくても手軽に固定IPアドレスを利用できるVPNサービスです。
具体的には、WireGuardというプロトコルを用いたVPN接続をクライアント端末に設定し、その出口として固定のグローバルIPが提供されます。
このサービスのポイントを整理すると:
- 用途の違い GCPの静的外部IPが主にサーバー側でサービスを公開するためのIPであるのに対し、ロリポップ固定IPアクセスはクライアント側が外部にアクセスする際に固定IPで通信するためのサービスです。 社外から社内システムに入る場合や、外出先のPCから固定IP経由で通信したい場合に適しています。
- 手軽さ GCPで固定IPを使おうとするとVMの構築・運用が必要になりますが、ロリポップ固定IPアクセスなら端末にVPN設定を行うだけで即日から固定IPが使えます。 クラウド知識が不要で、ネットワークに詳しくなくても利用可能です。
- コスト ロリポップ固定IPアクセスは月額539円(税込)から利用でき、1ライセンス(1同時接続)あたりの料金体系です。 初回のIPについては最大2ヶ月の無料お試し期間もあります。 一方GCPでVM+静的IPを使う場合、VMの料金(例えば常時稼働の小規模インスタンスで数百円~)+IP料金(数百円)となり、要件によってはコストが高くつく可能性があります。 単に固定IPで通信したいだけならロリポップのサービスの方が安価でしょう。
- 制約 ロリポップ固定IPはVPN経由の通信になるため、通信速度はVPNサーバー経由分のレイテンシが加わります。 また1ライセンスにつき同時に1クライアントしか接続できません(追加料金で複数端末の同時利用も可能)。 GCPの静的IPは自前で帯域の太いVMを立てればその範囲で自由に使えますが、ロリポップは基本ユーザーのブラウジングやリモート接続用といった位置付けです。
結論として、「サーバーを構築してサービス提供する」のが目的ならGCPの固定IP、「自分(クライアント)の接続元IPを固定化したい」のが目的ならロリポップ固定IPアクセスというように使い分けるのがおすすめです。
次節ではロリポップ固定IPアクセスの特徴と、どういったケースで有用かをもう少し詳しく見てみます。
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ロリポップ!固定IPアクセスがおすすめなユースケース
ロリポップ!固定IPアクセスは前述の通りVPN方式で手軽に固定IPを利用できるサービスです。
具体的にどんな場面で威力を発揮するのか、いくつかユースケースを挙げてみます。
- 社内システムへのリモートアクセス 社内の重要システムがファイアウォールで接続元IP制限されている場合でも、外出先や在宅勤務中にロリポップ固定IP経由でアクセスすれば社内と同じIPからの通信として認識させられます。 これにより安全に社内ネットワークへリモート接続が可能です。
- クライアント先開発環境へのアクセス Web制作やシステム開発で、取引先企業の開発サーバーにアクセスする際に固定IPの提供を求められるケースがあります。 自宅やカフェなど場所を問わず作業するエンジニアでも、ロリポップのVPNに繋ぐだけで求められた固定IPからアクセスできるため、柔軟な働き方を維持できます。
- 公共Wi-Fi利用時のセキュリティ確保 カフェ・ホテル等の公共Wi-Fiを使う場合でも、VPNを介して通信することで暗号化されます。加えて固定IPから通信することで通信元を特定しやすくし不審なアクセスを排除できます。 業務データを扱う際のセキュリティ向上策として有効です。
- 店舗システムへの一元的な接続管理 複数店舗の機器や防犯カメラ等に本部からアクセスする場合、各担当者がロリポップ固定IPを利用すればアクセス元が常に一定となり管理が容易になります。 誰がどこから接続しているかをIPで把握でき、監査ログの整備などにも役立ちます。
以上のように、「固定IPが必要だがクラウドVMを立てるほどではない」「ISP契約の固定IPを引くのが難しい環境」ではロリポップ!固定IPアクセスが強い選択肢となります。
設定もシンプルで、対応アプリ(WireGuard)の設定ファイルをインポートするだけで開始できます。初期費用も不要で最短即日から使える手軽さも魅力です。
料金は月額539円(税込)/ライセンスとリーズナブルで、まず1つ試してみたい場合には最初のIPについて2ヶ月間の無料お試しも提供されています。
現在は1契約につき1つの固定IP発行ですが、必要に応じてライセンス追加で複数人が同時利用可能です。詳しくは公式サイトの案内をご参照ください。
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まとめ:目的に応じた固定IP活用を
本記事では、GCPでグローバル固定IPアドレスを利用する方法について、基本概念から設定手順、他サービスとの比較まで詳しく解説しました。
静的IPはWebサービス運用やセキュリティ確保に欠かせない一方、コスト管理や管理ミスへの注意も必要です。
GCPではコンソールやgcloudコマンドで簡単に固定IPを扱えますので、ぜひ活用してみてください。
また、「自分のアクセス元IPを固定化したい」ケースではGCPに限らず、ロリポップ!の固定IPアクセスのような便利なサービスも選択肢となります。
手軽さとコストで優れるこのサービスは、固定IPニーズに対する新しいアプローチと言えるでしょう。
最後に、固定IPの利用有無にかかわらずネットワークのセキュリティ対策は万全にしましょう。
ファイアウォール設定や不要ポートの遮断、最新のセキュリティ情報のチェックなど基本を徹底することで、固定IPのメリットを最大限に活かすことができます。
固定IPを上手に活用し、快適で安全なクラウド運用を実現してください。