1. 固定IPアドレスとは?DHCPとの違いとMacで固定する目的
IPアドレスとはネットワーク上で機器を識別するための番号です。
通常、自宅やオフィスのネットワークではDHCP(動的ホスト構成プロトコル)によってルーターが自動的にIPアドレスを各デバイスに割り当てます。
これに対し、固定IPアドレス(スタティックIP)はユーザーが手動でIPアドレスを設定する方法です。
DHCPだと接続のたびにIPが変わる可能性がありますが、固定IPにすれば常に同じIPアドレスを使い続けることができます。
では、なぜMacで固定IPを設定する必要があるのでしょうか?理由の一つは、特定のサービスや機能を安定して利用するためです。
たとえばMacをサーバーとして運用する場合、DHCPでIPが変わると他のデバイスから接続し直すのが手間になりますが、IPを固定しておけば常に同じアドレスでアクセスできます。
基本的に、ネットワーク機器側(ルーター)が自動割り当てしてくれるDHCPの方が手軽ですが、用途によってはMac側で固定IPを設定したほうが便利なケースがあります(次章で詳しく解説します)。
※なお、ここで扱う固定IPとはローカルネットワーク内での固定IP(プライベートIPアドレス)のことです。
インターネット上のグローバルIPアドレスを固定したい場合は別の話題となり、詳しくは後述する「ロリポップ!固定IPアクセス」の章で解説します。
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2. Macで固定IPを設定すべき場面とユースケース
固定IPアドレスの設定が役立つ代表的な場面をいくつか紹介します。
- ポート開放(ポートフォワーディング)を行う場合 自宅でオンラインゲームのホストを立てたり、自分のMac上でサーバーを動かして外部からアクセスさせたりする際、ルーターの設定で特定のポートをMacのIPに転送する必要があります。 DHCP任せだとMacのIPが変わってポート転送先がずれてしまうため、事前にMacに固定IPを割り当てておくことが推奨されています。 固定IPを設定し、ルーターにはその固定IP宛てにポート転送するよう設定すれば、再起動後もポート開放の設定が有効に機能します。
- NASなどストレージに接続する場合 – 家庭やオフィスでNAS(ネットワークHDD)を設置している場合、NASやそれに接続するMacのIPが頻繁に変わるとアクセスが煩雑になります。 NAS側は固定IPにし、Macからその固定IPにマウントするのが一般的ですが、逆にMac側を固定IPに設定してNASのアクセス許可を特定のIPに限定するようなケースもあります。ネットワーク上の機器同士を安定したアドレスで紐付けたい場合、固定IPが有効です。
- 開発サーバー・テスト環境 Macをローカル開発用のサーバーとして使うエンジニアもいるでしょう。 例えばMac上でWebサーバーやデータベースを稼働させ、同じネットワーク内の他PCやデバイスからアクセスしてテストを行う場合、MacのIPが変動すると接続先を都度変更しなければなりません。 そうした場面ではMacに固定IPを割り当て、常に同じアドレスでアクセスできるようにすると開発効率が上がります。 SSHでMacにリモートログインするときも、固定IPなら安定して接続できます。
- IP制限があるサービスへのアクセス 社内システムやクラウドサービスの中には、セキュリティのためアクセス元IPアドレスを制限しているものがあります。 社内ネットワーク内のMacであれば、あらかじめ固定IPを設定してファイアウォールに登録しておくことで、特定IPからのみアクセス可能な環境を作れます。 また後述しますが、外部のWebサービスで自分のグローバルIPを登録してアクセス制限をかける場合、通常のネット回線ではIPが変わり得るため不便です。 この問題は固定グローバルIPのサービスを利用することで解決できます(7章で解説するロリポップのサービスがその例です)。
以上のように、ポート開放によるサーバー公開やネットワーク機器との連携、業務上のアクセス制限など、「IPアドレスが変わらないこと」が前提条件となる場面でMacの固定IP設定が必要になります。
逆に言えば、普段ウェブ閲覧やメール送受信をするだけであればDHCPで困ることは少ないでしょう。
しかし特定のユースケースでは、Macのネットワーク設定を静的にしておくことで環境が安定し、トラブルシューティングも容易になります。
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3. MacのWi-Fi接続で固定IPを設定する手順
ここからは具体的にMacに固定IPアドレスを設定する方法を解説します。
まずはWi-Fi接続の場合です。自宅の無線LANルーター経由でインターネットに接続しているMacを例に、IPを手動設定する手順を追ってみましょう。
基本的にmacOSのバージョンに関わらず手順は似ていますが、Ventura以降では画面表記が多少変わっているので補足します。
Wi-Fiの固定IP設定手順(macOS 全般)
- システム設定を開く 画面左上のアップルメニューから「システム設定…」をクリックします(※macOS Monterey以前では「システム環境設定」と表示)。 システム設定のウインドウが開いたら、左サイドバーから「ネットワーク」を選択してください。
- Wi-Fiを選択 ネットワーク設定画面で、左サイドバーにあるネットワークインターフェース一覧から「Wi-Fi」をクリックします。 右ペインには現在接続中のWi-Fiネットワーク名や設定項目が表示されます。
- 詳細オプションを開く 接続中のWi-Fiネットワーク名の横にある「詳細…」ボタン(「i」マークの情報ボタンの場合もあります)をクリックします。 するとそのWi-Fi接続に関する詳細設定ウインドウが表示されます(※macOS Monterey以前では、右下に「詳細」または「詳細設定…」というボタンがあり、それをクリックして設定画面を開きます)。
- TCP/IPタブでIPv4設定を変更 詳細ウインドウ内に複数のタブがありますので、「TCP/IP」タブを選択します。ここで「IPv4の構成」という項目があり、現在は「DHCPサーバを使用」などと表示されているはずです。 このプルダウンメニュー(ポップアップメニュー)をクリックし、一覧から「手動」を選択します。 補足: 一覧には「DHCPサーバを使用(アドレスは手入力)」という選択肢が表示される場合があります。 これはDHCPで他の情報は取得しつつIPアドレスだけ手動指定する中間的な設定ですが、特別な理由がなければフル手動の「手動」を選んで構いません。
- 固定するIPアドレスを入力
「手動」を選ぶと、入力フィールドがいくつか有効になります。
まず「IPv4アドレス」に希望の固定IPアドレスを入力します。次に「サブネットマスク」と「ルーター」(デフォルトゲートウェイとも呼びます)の値も入力します。
通常、自宅ネットワークであればサブネットマスクは
255.255.255.0(/24)で、ルーターは自宅ルーターのIP(例えば192.168.0.1や192.168.1.1など)になります。 これらの値は、固定化前にDHCPで接続していたときの設定を参考にすると良いでしょう。 現在のネットワーク設定を確認するには、一旦このウインドウを開く前にシステム設定「ネットワーク」でWi-Fiを選択し、右側に表示される詳細情報(IPアドレス、サブネット、ルーター項目)をメモしておく方法があります。 - DNSサーバの設定(必要に応じて)
固定IPに切り替える際、DNSサーバ情報が自動取得されなくなるため、必要であればDNSも手動で設定します。
先ほどの詳細ウインドウで「DNS」タブに切り替え、DNSサーバ欄に自分の使いたいDNSのアドレスを入力します。
自宅の場合、ルーターがDNS転送機能を持っていればルーターと同じIPを入れておけばOKです。あるいはGoogleのパブリックDNS(
8.8.8.8等)を指定しても良いでしょう。 - 設定を保存 IPアドレス、サブネット、ルーター(ゲートウェイ)、DNSまで入力できたら、「OK」ボタンをクリックします。 macOS Ventura以降ではこの時点で設定が即時適用されます。 Monterey以前では詳細ウインドウを閉じた後、元の「ネットワーク」設定画面で「適用」ボタンを押す必要があったかもしれません。 いずれにせよ、設定を保存するとMacのWi-Fi接続が一旦再設定され、指定した固定IPアドレスで再接続を試みます。
上図はWi-Fi接続の詳細設定画面で「IPv4の構成」を「手動」に切り替え、IPアドレス(例: 192.168.11.101)、サブネットマスク(255.255.255.0)、ルーター(192.168.11.1)を入力した様子です。
各項目に正しい値を入力したら、画面下の「OK」(または「保存」)をクリックしましょう。
これでWi-Fiインターフェースに対して指定した固定IPアドレスが設定されます。設定反映後、ターミナルで ifconfig コマンドを実行するか、システム設定のネットワーク項目を確認すれば、新しいIPアドレスが割り当たっていることを確認できます。
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4. 有線LAN(Ethernet)接続で固定IPを設定する手順
続いて、有線LANでMacをネットワーク接続している場合の固定IP設定手順です。
基本的な流れはWi-Fi時と同じですが、インターフェース名が異なります。
デスクトップ型のMacや、USB/LANアダプタ経由でEthernet接続している場合はこちらの手順を参考にしてください。
Ethernetの固定IP設定手順
- ネットワーク設定でEthernetを選択 システム設定の「ネットワーク」画面を開き、左サイドバーから「Ethernet」あるいは「有線LAN」(インターフェース名は環境によって異なりますが、例えば「USB 10/100/1000 LAN」や「Thunderbolt Ethernet」など)を選択します。
- 詳細設定を開く Ethernetを選んだ状態で、Wi-Fiの場合と同様に「詳細…」ボタンをクリックして詳細設定ウインドウを開きます。 macOS Ventura以降では右ペインにEthernetの詳細が直接表示され、「TCP/IP」の項目が見えているかもしれません。 その場合そのまま次の手順へ進んでください。表示が分かれている場合はTCP/IPタブを開きます。
- IPv4を手動に切り替え、各値を入力
IPv4の構成を「手動」に変更し、固定したいIPv4アドレス、サブネットマスク、ルーター(デフォルトゲートウェイ)を入力します。
基本的にはWi-Fiで説明した内容と同じです。自宅内であればWi-Fiと同じネットワークセグメントのIPを割り当てることになります(例: ルーターが
192.168.0.1なら、Ethernet用に192.168.0.210を設定、など)。 - DNSの設定 必要に応じてDNSタブでDNSサーバを入力します。 Wi-Fiの設定と共通のDNSを利用して問題ありません。
- 設定を保存 値の入力ができたら「OK」をクリックして設定を保存します。 保存後、MacのEthernetインターフェースが指定したIPで通信を開始します。 ネットワーク環境によっては、Wi-FiとEthernetの両方を接続した状態にできる場合もありますが、その場合でも両方のインターフェースに同じIPアドレスを設定しないよう注意してください(同一ネットワーク内でIPが重複すると正常に通信できません)。
Ethernet側の設定は以上です。
Wi-Fiと併用している場合、用途に応じてどちらか一方を有効にするか、または片方は予備として設定を残しておくと良いでしょう。
例えば普段はWi-Fiで使い、必要なときだけEthernetに切り替える場合、両方に同じネットワークの異なる固定IPを割り当てておけば、切り替えても常に安定した接続が得られます(ただし同時に2つのインターフェースを有効にするとネットワーク的に競合する場合があるので注意が必要です)。
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5. 設定時の注意点(サブネット、ゲートウェイ、DNS、IP重複など)
Macで固定IPを設定する際には、以下のポイントに注意してください。
設定ミスや確認漏れがあると、ネットワークに繋がらなくなったり、他の機器と競合したりする恐れがあります。
- DHCPの割り当て範囲外のIPを選ぶ
固定IPに設定するアドレスは、ルーターのDHCPサーバーが配布する範囲と被らないものにします。
例えば自宅ルーターのDHCP割当範囲が
192.168.0.2~192.168.0.100であれば、その外側の192.168.0.200などを固定IPに選ぶと安全です。 どの範囲がDHCPか分からない場合は、ルーターの設定画面で確認するか、あるいは候補のIPに対して他の機器からpingを実行し応答が無いか確かめてから設定すると良いでしょう。 - ネットワーク内でユニークなIPにする 固定IPとして設定しようとしているアドレスが、既にネットワーク上の他の機器で使われていないか確認します。 同じLAN内でIPアドレスが重複するとIPアドレス競合が発生し、どちらの機器も正常に通信できなくなります。 特に、もともとDHCPでつながっていたMacにその時点で使っていたIPをそのまま固定設定する場合、タイミングによっては旧リース情報が残っており他機器とバッティングする可能性があります。 そのため一度Macをネットワークから切断して数分待つ、ルーターのDHCPクライアントリストから該当Macを削除する、といった措置を取ると確実です。 同一Mac内での注意として、有線と無線の両インターフェースに同じIPを二重設定しないことも重要です(片方は無効にするか、異なるIPを割り当ててください)。
- サブネットマスクの設定
サブネットマスクはネットワークのアドレス範囲を決める値です。
自宅や小規模ネットワークでは
255.255.255.0(/24)であることがほとんどですが、念のためDHCPで接続していた際の値を確認してその値を設定してください。 間違ったサブネットマスクを設定すると、同じネットワーク内の機器とも通信できなくなる恐れがあります。 - ルーター(デフォルトゲートウェイ)の設定
「ルーター」欄には通常ご家庭のルーター機器のローカルIPアドレスを設定します。
これもDHCP時に割り当てられていた値と同じものを指定します。
例えば自宅のルーターの管理画面が
192.168.1.1で開けるならそのIPがデフォルトゲートウェイです。 ルーターのアドレス設定を誤るとインターネットへの出口が見えなくなるため、必ず正しく入力してください。 - DNSサーバの設定
DNS(名前解決)サーバはインターネット利用に必須の設定です。
DHCPでは自動的にセットされますが、固定IPにすると自分で設定する必要があります。
自宅の場合、特に指定しなければルーターのIPをDNSにしておけば大抵は機能します。
また、Googleの8.8.8.8やCloudflareの1.1.1.1など、公開DNSサービスを利用する手もあります。
DNSを設定し忘れると、IPアドレスを直接指定する通信(例えば
ping 8.8.8.8)はできるのにウェブブラウザでサイト名を開けない、といった症状になります。 - ネットワーク管理者への確認(業務環境の場合) 会社のネットワークなど管理者がいる環境では、勝手に固定IPを設定するとネットワークポリシー違反になる可能性があります。 管理者が静的IPを割り当てる手順を用意しているかもしれません。 業務利用で固定IPが必要な場合は、事前にネットワーク管理者に相談し、使用するIPアドレスやDNS情報などについて指示を仰ぐようにしてください。
以上の点を事前に確認・準備した上で固定IPを設定すれば、スムーズに切り替えができるはずです。
特にIPアドレスの選定と重複チェックは重要ですので、慎重に行いましょう。
不安な場合、確実な方法としてルーター側でDHCP予約(MACアドレスとIPを紐付けて常に同じIPを配布する設定)を使う手もあります。
これは上級者向けですが、ルーター設定が可能であれば一考の価値があります。
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6. 固定IP設定が反映されないときの確認ポイント
固定IPを設定したのにインターネットに繋がらない、設定がうまく反映されていない、といった場合のチェックポイントをまとめます。
落ち着いて原因を切り分けてみましょう。
- IPアドレス競合エラーが出ていないか 固定IP設定後、ネットワークアイコンに「!」マークが出たり、「このコンピュータのアドレスはネットワーク上の別のデバイスが使用しています」(“お使いのコンピュータのIPアドレスは別のデバイスに使用されています”)という警告メッセージが表示された場合、設定したIPが他の機器と重複しています。 この場合は速やかに別のIPに変更するか、一旦「DHCPに戻す」設定にして問題を解消してください。 重複が解消されるまで正常な通信はできません。
- サブネットマスク/ゲートウェイの設定ミス IP競合でないのに通信できない場合、入力したサブネットマスクやルーターのアドレスに誤りがあるかもしれません。 サブネットマスクが実際のネットワークと異なると同一LAN内の通信すらできなくなります。 また、ルーター(デフォルトゲートウェイ)のアドレスが間違っているとLAN内だけ繋がってインターネットに出られません。再度設定値を確認し、正しい値に修正してください。
- DNSの未設定 IPとサブネット、ゲートウェイは正しく設定していてもDNSサーバを登録し忘れると、インターネット上の名前解決ができずWebサイトにアクセスできません。 「IPアドレスを直接指定すれば繋がるが、ドメイン名だと繋がらない」という場合はDNS設定漏れが疑われます。 DNS欄に正しいアドレスを設定し、適用し直してください。
- Wi-Fi/Ethernetの接続状態 – 設定を適用した後、一度Wi-FiをOFFにして再度ONにするか、Ethernetケーブルを差し直すなどして、インターフェースを再起動してみてください。 場合によってはMac本体を再起動することで設定が確実に反映されることもあります。 ネットワーク設定がキャッシュされていると、新しいIPが有効になるまで時間がかかるケースがあります。
- ネットワークの場所(ロケーション)設定 macOSには「場所」機能があり、ネットワーク設定のプロファイルを切り替えられます。 固定IP設定が反映されないと感じたら、現在アクティブな場所が自分の編集した場所で合っているか確認してください。 必要であれば新しい場所を作成して設定をやり直す手もあります。
- 一時的にDHCPに戻して確認 どうしても繋がらない場合は、一旦IPv4の設定を「DHCPサーバを使用」(自動)に戻してみましょう。 自動取得で正常にインターネット接続できるか確認することで、問題の切り分けができます。 自動で繋がるなら設定値のどこかに間違いがある可能性が高いです。自動でも繋がらない場合は別の原因(ルーターや回線側の問題など)かもしれません。
以上をチェックすれば、多くの場合固定IP設定のトラブルは解決できるはずです。
それでも解決しない場合は、ネットワークユーティリティで詳細を調べたり、ルーターのログを確認するなど踏み込んだ調査が必要になるかもしれません。
まずは基本的な点をひとつひとつ確認してみてください。
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7. Macから外部に出る通信で固定IPを使いたいときの解決策(ロリポップ固定IPアクセス)
ここまではMac内部(正確にはLAN内部)でのIPアドレス固定化の話でした。
しかし、「インターネットに出て行く際のグローバルIPアドレスを固定したい」というニーズもあります。例えば自宅の回線から特定のWebサービスにアクセスするとき、毎回同じグローバルIPで接続できれば、先方でIP制限をかけてセキュリティを担保することができます。
しかし一般的な家庭用インターネット回線(光回線やモバイル回線など)のグローバルIPは契約によって頻繁に変わったり、共有アドレス(CGNAT)でそもそも固定できなかったりします。
では、外部通信においても固定IPを使うにはどうすればよいか? その解決策の一つが、VPNサービスを利用して固定IPを確保する方法です。
最近登場したサービスとして 「ロリポップ!固定IPアクセス」lがあります。
GMOペパボ社が2025年3月にリリースしたサービスで、簡単な設定で自宅や外出先どこからでも固定IPアドレスでインターネットにアクセスできるようになるVPNサービスです。
仕組みとしては、専用のVPN(WireGuardというプロトコルを使用)のサーバーを経由してインターネットに出て行くことで、常に決まったグローバルIPアドレスから通信する形になります。
例えばカフェのWi-FiにMacを繋いだ場合でも、このVPNを通せば自宅から接続しているのと同じ固定IPアドレスで外部サイトにアクセスできるわけです。
これにより、「社外から社内の特定IP許可のシステムにアクセスしたい」といったケースでも、自分のMacから常に許可されたIPで接続できるようになります。
Web制作や開発業務で、クライアント先の開発サーバーに自宅から安全にアクセスしたい場合などにも非常に有用です。
8. ロリポップ固定IPアクセスの導入方法・メリット
上図は「ロリポップ!固定IPアクセス」の公式バナー画像です。“オフィスや外出先、どこからでも簡単に固定IPアドレスが使える”とある通り、場所を選ばず即日から固定IPが利用できる手軽さが最大の特徴です。
このサービスの導入方法とメリットを、ポイントごとに紹介します。
- 手軽な導入と即日利用 ロリポップ固定IPアクセスはオンラインで申し込み後すぐに利用開始できます。 複雑な工事やプロバイダとの特別な契約は不要です。 ユーザーはWireGuard対応のVPNクライアント(無料アプリ)をMacにインストールし、ロリポップから発行される設定ファイル(ライセンスファイル)を読み込むだけで準備完了です。 設定ファイルを追加するだけで簡単に固定IPでの接続が実現します。
- 低コストと無料お試し 一般に固定グローバルIPを得るにはプロバイダのオプション契約(月額数千円規模)が必要な場合がありますが、ロリポップ固定IPアクセスは月額539円(税込)と安価に設定されています。 しかも1つ目のIPアドレスについては最大2ヶ月間の無料お試し期間が用意されており、実際に使い心地を確かめてから本契約できます。 コストを抑えつつ固定IP環境を手に入れたい個人・小規模チームに嬉しいポイントです。
- 複数デバイス・ユーザーで利用可能 固定IP1つにつきライセンス1つという形ですが、追加ライセンスを購入することで同じ固定IPを複数人で共有できます(※同時接続はライセンス数分まで)。 例えばチームメンバー全員が同じ固定IP経由でアクセスすれば、全員分の接続元を一括で社内システムに許可するといった使い方もできます。 ライセンスの増減も柔軟に行えるため、必要なときに必要なだけ追加して、使わなくなれば削減するといった運用も可能です。
- 安全な通信と信頼性 WireGuardプロトコルによるVPN接続は高速かつセキュアで評判の高い技術です。 公衆Wi-Fiを使う際でも通信が暗号化されるため、セキュリティが向上します。 また接続元IPが固定化されることで、不審なIPからのアクセスを遮断しやすくなり、業務データへのアクセスを安全にコントロールできます。 カフェや出張先でもVPN経由で業務を行えば、情報漏洩リスクを減らしつつ生産性を維持できます。
以上のように、「ロリポップ!固定IPアクセス」は手軽さ・経済性・柔軟性・安全性の面で多くのメリットを提供します。
設定自体も非常に簡単なので、固定IPが必要な場面に直面したら検討してみる価値は十分にあるでしょう。
特に、自宅回線ではグローバルIPを固定できないけれど外部サービスからの信頼性確保のために固定IPが求められる、といったケースで強力なソリューションとなります。
まとめ Macでの固定IP設定は、ネットワークの用途によっては欠かせないスキルです。
ローカル環境ではDHCPから手動設定に切り替えることで、ポート開放や社内システム連携をスムーズにし、安定した通信を実現できます。
一方、インターネット上での固定IP利用は通常ハードルが高いものですが、ロリポップ!固定IPアクセスのようなサービスを使えば手頃な価格で実現可能です。
自分のユースケースに合わせて、適切な固定IP運用方法を選択してください。
今回解説した手順とポイントを押さえておけば、初心者の方でも安心してMacの固定IP設定に挑戦できるでしょう。
ネットワーク設定を活用して、快適で安全なMacライフをお楽しみください。