インターネットに接続する際、自宅と外出先では利用するネットワーク環境が異なるためグローバルIPアドレスも変わってしまいます。
自宅のWi-Fiや会社のネットワークでは固定のIPアドレスでも、カフェの公衆Wi-Fiやモバイル回線では別のIPが割り当てられます。
その結果、在宅と外出先で常に同一のIPアドレスを使うことは通常できず、サービス利用時に不便を感じることがあります。
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IPアドレスが環境ごとに変わる問題とは
まず、なぜネットワーク環境が変わるとIPアドレスも変わってしまうのか確認しましょう。
IPアドレスは接続元のネットワーク事業者やルーターから動的に割り当てられるため、自宅・社内ネットワーク、モバイルデータ通信、カフェのWi-Fiなど接続元の環境やタイミングによってIPアドレスは変わります。
たとえば自宅のネット回線を切ってスマホの4G回線に切り替えれば、全く別のグローバルIPとなります。
この仕組み自体は通常のインターネット利用では問題になりません。
しかし、利用するサービスによってはIPアドレスが変わることが大きな課題になる場合があります。
次のセクションで、その具体的なケースについて説明します。
IP制限のあるサービスで同一IPアドレスが必要な理由
社内システムやセキュリティ重視のWebサービスの中には、アクセス元IPアドレスによるアクセス制限(IP制限)を設けているものがあります。
特定のIPアドレスからの接続のみを許可し、それ以外のIPからのアクセスを遮断することで不正アクセスを防ぐ仕組みです。
例えば社内の業務システムは会社オフィスのネットワークからのIPだけ許可し、外部からはアクセスできないよう設定されるケースがあります。
また、開発中のWebサイトやAPIをテストする環境でも、開発担当者のIP以外は弾くようIP制限をかけることがあります。
こうしたIP制限付きサービスを在宅や外出先から利用する場合、利用者のIPアドレスが事前に登録された許可IPと一致していなければアクセスできません。
自宅ではアクセスできていた社内システムが、外出先からだとIPアドレスが違うためブロックされてしまう、という問題が生じます。
逆にIP制限を緩めてどのIPからでもアクセス可能にしてしまうとセキュリティリスクが高まります(動的IPでは管理者のIPが特定できないため、サーバー側で全てのIPからのアクセスを許可せざるを得ず、結果的に攻撃者からのアクセスも受け付けてしまう)。
この問題を解決するには、在宅でも外出先でも常に同じIPアドレスからアクセスする必要があります。
つまりグローバルIPアドレスを固定化してしまうという発想です。
IPアドレスが固定であれば、サービス側ではそのIPからの接続のみ許可しそれ以外は拒否できます。
管理者(利用者)は常に同一IPからアクセスするため、サービス側で「このIPアドレスだけ許可!」と限定でき、未知のIPからの攻撃アクセスはすべて遮断できます。
以上のように、IP制限付きのサービスではアクセス元を特定の固定IPに限定することでセキュリティを高められます。
しかし通常のネット接続では在宅・外出先でIPが変わるため、この「常に固定IPからアクセスする」ことが困難でした。
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VPN型クラウド固定IPサービスでどこからでも同じIPを使う方法
上述の課題を解決する手段として登場したのがVPN型のクラウド固定IPサービスです。
これはクラウド上に用意されたVPNサーバー経由でインターネット接続を行うことで、どんな場所にいても同じ固定IPアドレスでアクセス可能にするサービスです。
自宅でも会社でもカフェでも出張先でも、VPNに接続しさえすれば常に同一のグローバルIPから通信できるようになります。
具体的には、ユーザーごとにユニークな固定グローバルIPアドレスがクラウド上のVPNサーバーに割り当てられます。
利用者はPCやスマホからVPN接続を確立すると、インターネット上ではそのVPNサーバー経由で通信が行われ、外部から見るIPアドレスが常に割り当てられた固定IPに統一される仕組みです。
例えば、あるユーザーに「123.45.67.89」という固定IPが付与された場合、自宅の光回線を使っていても、移動中にスマホのLTE回線を使っていても、VPNを有効にすれば常に通信元IPは「123.45.67.89」になります。
実際にWi-Fi接続時と4G接続時でVPNを使わずアクセスするとIPは異なりますが、VPN経由では両者とも同一のIPアドレスが表示されることが確認されています。
さらにこの種のサービスでは、VPNによるトンネル通信により通信内容が暗号化されるため公衆Wi-Fi経由でもセキュリティが確保できるという副次的なメリットもあります。
多くのクラウド固定IPサービスは高速かつ安全性の高い最新プロトコルであるWireGuard(ワイヤーガード)を採用しており、専門知識がなくても簡単にセットアップして利用開始できるようになっています。
つまり、VPNクライアントアプリをインストールし設定ファイルを読み込むだけで、いつでもどこでも同じIPアドレスでの接続が可能になるのです。
また、クラウド固定IPサービスでは1つの固定IPを複数端末や複数ユーザーで共有することも可能です。
サービスによっては契約時に追加ライセンスを発行することで、一つの固定IPに複数人が同時接続できる仕組みになっています。
例えば小規模チームであれば、全員が共通の固定IP経由でアクセスするように設定し、社外からのアクセスをそのIPに限定するといった使い方もできます。
ライセンスの増減は柔軟に行えるため、必要に応じて同時接続数(利用端末数)を調整可能なサービスもあります。
💡 補足: VPN型クラウド固定IPサービスは「ルーター単位で固定IPを割り当てるサービス」と異なり端末側で固定IPを適用するタイプです。 このため、従来の固定IP(例: 特定の回線契約に固定IPオプションを付けるなど)では「固定IPが使えるのはその回線に接続している場合のみ」で外出先では結局IPが変わってしまう問題がありました。 一方でクラウド固定IPならノートPCやスマホなど端末ごとに設定を行うため、どこにいても常に同じIPアドレスを使える利点があります。
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複数環境で固定IPを使うメリットと主な活用例
VPN型の固定IPサービスを利用すると、自宅・会社・外出先とネットワークが変わっても常に同一IPでアクセスできるようになります。
この仕組みによって、様々なシーンで次のようなメリットや活用方法があります。
IP制限された社内システムへ安全にリモートアクセス
社内ネットワークでのみ利用可能な業務システムに自宅や出張先からアクセスしたい場合、クラウド固定IPサービスが役立ちます。
あらかじめ社内システム側に自分専用の固定IPアドレスを許可登録しておくことで、オフィス外のネットワークからでもそのIP経由で安全にアクセス可能です。
社内システムから見るとアクセス元IPは常に登録済みの固定IPとなるため、あたかも社内にいるときと同じように利用できます。
VPN通信によりデータも暗号化されますので、外出先のネットワークを使っても社内情報を安全に取り扱えます。
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開発・テスト環境に固定IP制限をかけて運用
Web制作やアプリ開発の現場でも固定IPサービスは重宝します。たとえばクライアントのテストサーバーやステージング環境を固定IPでアクセス制限しておけば、開発担当者以外はその環境に入れないようにできます。
しかし開発担当者自身は在宅勤務や移動中など作業場所が変わることがあります。
ここでクラウド固定IPサービスを利用すれば、担当者の端末からは常に同じ固定IPでアクセスできるため、開発環境側ではそのIPだけを許可してセキュアに運用することが可能になります。
万一パスワードが漏洩しても、IPアドレス制限のおかげで攻撃者はそもそもログイン画面に辿り着けない、といった強力なセキュリティ対策にもなります。
公衆Wi-Fi利用時の通信セキュリティ強化
外出先でカフェやホテルの公衆Wi-Fiを利用する際も、VPN型固定IPサービスは安全性の面でメリットがあります。
VPN接続することで通信内容が暗号化されるため、フリーWi-Fi上でも第三者に盗聴されるリスクを大幅に低減できます。
また、前述の通り社内システムや開発環境へのアクセス時にも常に固定IP経由となるため、不特定多数が共有するWi-Fiからでも許可されたIPアドレスとして扱われ、ブロックされずスムーズに仕事を進められます。
複数端末・チームメンバーで同一IPアドレスを共有
クラウド固定IPサービスは一人の利用だけでなく複数端末やチームでの利用にも対応できます。
自分のPCとスマートフォンの両方に同じ固定IPのVPN設定を入れておけば、どちらから接続しても同一IPでアクセスできます(※同時接続はサービスのライセンス仕様によります)。
例えばロリポップ!固定IPアクセスでは1ライセンスにつき同時接続1台までですが、ライセンスを追加契約すれば一つの固定IPを複数人で同時利用することも可能です。
これにより、小規模チーム全員が共通の固定IPアドレスから社内システムに入る、といった使い方もできます。
アクセス元を一本化できるため、接続元IPの管理を効率化する効果も期待できます。
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ロリポップ!固定IPアクセスの導入方法と使い方【例】
最後に、具体的なクラウド固定IPサービスの一例として「ロリポップ!固定IPアクセス」をご紹介します。
ロリポップ!固定IPアクセスはGMOペパボ社が2025年3月に提供開始したサービスで、個人でも法人でも利用可能な固定IP割り当てのVPNサービスです。
初期費用は無料、月額料金は490円(税込539円)/IPと低価格で、しかも1つ目の固定IPは最大2ヶ月間の無料お試し期間が用意されています。
相場(月額1,000円前後が多い)と比べてもコストパフォーマンスに優れており、気軽に固定IPデビューできる点が魅力です。
ロリポップ!固定IPアクセスを導入・利用する手順は次のとおり非常に簡単です。
- サービス申し込み 公式サイトの申し込みフォームからアカウントを作成し、固定IPアドレスの契約手続きを行います(オンラインで完結し、工事なども不要です)。 契約後すぐに固定IPが発行され、ユーザー専用の管理画面でIP情報や設定ファイルのダウンロードが可能になります。
- 接続アプリ(WireGuard)のインストール ロリポップ!固定IPアクセスでは接続用にWireGuardというVPNアプリを使用します。WindowsやMacの場合は公式サイトからインストーラを入手、スマホの場合はApp StoreやGoogle PlayからWireGuardアプリをインストールしてください。
- 設定ファイルのダウンロードと読み込み
管理画面からWireGuard用の接続設定ファイル(拡張子
.conf)をダウンロードします。 PC版ではファイルを直接インポート、スマホ版では表示されたQRコードをスキャンするなど、各デバイスのWireGuardアプリにその設定を追加します。 - VPN接続の有効化 WireGuardアプリに追加されたロリポップ固定IPアクセス用の接続設定をオンにするとVPN接続が確立し、自動的に固定IPアドレスが適用されます。 正しく接続できていれば、ロリポップの管理画面上やIP確認サイトで自分の固定IPアドレスが表示されるはずです。 あとは通常どおりインターネットを利用するだけで、常にその固定IP経由で通信が行われます。
以上のステップを踏めば、専門知識がなくとも申し込んだその日から自宅でも外出先でも同じ固定IPでのアクセスが可能です。
ロリポップ!固定IPアクセスは高速・安全なWireGuard採用や柔軟なライセンス追加による複数端末同時利用など利便性も高く、固定IPを必要とする様々なシーンで役立つでしょう。