「自宅から会社のパソコンを操作したい」「在宅でも普段の社内PCをそのまま使いたい」――テレワーク導入初期によく寄せられるこの疑問にまとめてお答えします。
自宅から会社のパソコンを操作する方法には複数の手段があり、それぞれ手間・安全性・コストが異なります。IT知識が少ない方でも理解できるよう、仕組みから手順まで丁寧に解説します。
目次
- 自宅から会社PCを操作する3つの主な方法
- 各方式の比較表
- 方法①:WindowsリモートデスクトップをVPN経由で使う(定番・推奨)
- 方法②:Chromeリモートデスクトップを使う(手軽だが注意が必要)
- 方法③:専用リモートアクセスツールを使う
- セキュリティ上の重要な注意点
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
1. 自宅から会社PCを操作する3つの主な方法
自宅から会社のパソコンを遠隔操作する方法は大きく3種類あります。
| 方法 | 概要 |
|---|---|
| ①VPN+Windowsリモートデスクトップ | VPNで社内LAN接続後、WindowsのRDP機能で社内PCを操作 |
| ②Chromeリモートデスクトップ | GoogleのChromeブラウザを使ってPCを遠隔操作 |
| ③専用リモートアクセスツール | TeamViewer・AnyDeskなどの専用ソフトを使う |
どの方法も「自宅PCで社内PCの画面を見て、キーボード・マウスで操作する」という点は同じです。ただし、セキュリティ・コスト・設定の難易度が大きく異なります。
2. 各方式の比較表
方法を選ぶ前に、主要な要素を比較して整理しましょう。
| 比較項目 | VPN+Windowsリモートデスクトップ | Chromeリモートデスクトップ | 専用ツール(TeamViewer等) |
|---|---|---|---|
| 費用 | VPN代+Windows Pro(別途不要) | 無料 | 無料〜月額数千円〜数万円 |
| セキュリティ | 高い(VPN暗号化+RDP認証) | 中程度 | ツールによる |
| 設定の手間 | やや高い(VPN設定が必要) | 低い | 低〜中程度 |
| 必要なOS | Windows Pro以上(ホスト側) | Windows/Mac/Linux/Chrome OS | ツールによる |
| 社内PC常時起動 | 必要 | 必要 | 必要 |
| 通信速度・快適さ | 良好(LAN内通信) | 普通 | ツールによる |
| 企業利用の安全性 | 高い | やや懸念あり | ライセンス確認が必要 |
| 自宅端末スペック | 低くても可 | 低くても可 | 低くても可 |
3. 方法①:WindowsリモートデスクトップをVPN経由で使う(定番・推奨)
中小企業のテレワークでもっとも推奨される構成が「VPNで社内ネットワークに接続してから、Windowsリモートデスクトップで社内PCを操作する」方式です。
なぜこの組み合わせが定番なのか
Windowsリモートデスクトップは追加コストなしで利用でき、性能・信頼性ともに高い技術です。ただし、インターネットから直接接続できる状態にすると深刻なセキュリティリスクがあります(詳細は「セキュリティ上の重要な注意点」で後述)。
VPNを経由することで、リモートデスクトップの通信はVPNトンネルの中に隠れ、外部からは社内PCの存在すら見えなくなります。
事前に確認すること
社内PC(操作される側):
- Windows 10 Pro / 11 Pro以上であること(HomeエディションはRDPホストになれない)
- リモートデスクトップが有効化されていること
- 電源が入っていること(スリープ・休止状態は接続できない)
- プライベートIPアドレスを確認しておくこと(例:192.168.1.10)
自宅PC(操作する側):
- Windows・Mac・iPhone・Androidいずれも可(Microsoft公式のRDPアプリが無料で配布されている)
- VPNクライアントアプリがインストールされていること
手順(ステップ形式)
【社内PC側の設定】事前に一度だけ行う作業
- 社内PCでスタートメニューを右クリックし、「システム」を開く
- 「リモートデスクトップ」の項目を探し、「リモートデスクトップを有効にする」をオンにする
- 確認ダイアログが表示されたら「確認」をクリックする
- 社内PCのコンピューター名(またはIPアドレス)を確認しておく
- スタートメニュー右クリック→「システム」→「コンピューター名」で確認できる
- 社内PCをスリープしないよう電源設定を変更する(「電源とスリープ」→スリープをオフ)
【自宅PCからの接続手順】毎回行う作業
- VPNクライアントを起動し、社内VPNに接続する
- VPN接続が確立されたことを確認する(接続済みの表示を確認)
- Windowsのスタートメニューで「リモートデスクトップ接続」と検索して起動する(または「ファイル名を指定して実行」で
mstscと入力) - 「コンピューター」の欄に社内PCのIPアドレスまたはコンピューター名を入力する
- 「接続」をクリックし、社内PCのWindowsユーザー名とパスワードを入力する
- 社内PCの画面が自宅PC上に表示されれば接続完了
ポイント:VPN接続前にリモートデスクトップ接続を試みても社内PCに到達できないのが正常な状態です。必ずVPN接続を先に行ってください。
切断の手順
- 作業終了後は社内PCのスタートメニュー→アカウントアイコン→「切断」を選択(サインアウトではなく切断にすることで次回の接続が速くなる)
- VPN接続を切断する
4. 方法②:Chromeリモートデスクトップを使う(手軽だが注意が必要)
Chromeリモートデスクトップとは
Googleが提供する無料のリモートアクセスサービスです。ブラウザ(Chrome)またはスマホアプリから操作でき、VPN不要で使えることが特徴です。Googleアカウントさえあれば設定でき、個人用途では非常に手軽です。
設定手順
【社内PC側】
- Google Chromeを開き、remotedesktop.google.com にアクセスする
- Googleアカウントでログインする
- 「このデバイスへのリモートアクセスを設定する」→「リモートデスクトップを有効にする」をクリック
- Chromeリモートデスクトップの拡張機能をインストールする(促された場合)
- コンピューターに名前を付け、PINコード(6桁以上)を設定する
- 「開始」をクリックしてホスト機能を有効化する
【自宅PC・スマホ側】
- 同じGoogleアカウントで remotedesktop.google.com にアクセスする
- 「リモートアクセス」タブに先ほど登録した社内PCが表示される
- 社内PCをクリックし、設定したPINを入力して接続する
Chromeリモートデスクトップを企業で使う際の注意点
- 通信がGoogleのサーバーを経由するため、社内規程に抵触するケースがある
- 機密情報を扱う業務での使用はセキュリティポリシーの確認が必要
- 私用アカウントと業務を紐づけるリスクがある
- アクセス制御やログ管理が難しい
社内規程で許可されている範囲内で、機密性の低い業務に限って使用するのが現実的な判断です。
5. 方法③:専用リモートアクセスツールを使う
代表的なツール
| ツール名 | 特徴 | 費用 |
|---|---|---|
| TeamViewer | 世界シェアNo.1の老舗ツール、多機能 | 個人無料、商用は有償 |
| AnyDesk | 軽量・高速、TeamViewerの代替として人気 | 個人無料、商用は有償 |
| Splashtop | 企業向けに特化、管理機能が豊富 | 有償 |
| RemotePC | コスト優先の企業向け | 有償 |
専用ツールを選ぶ際の注意点
専用リモートアクセスツールは設定が容易な反面、企業での利用には以下の点の確認が必要です。
ライセンスの確認:無料版は商用利用を禁止しているツールが多くあります。TeamViewerは「個人・非商用」のみ無料で、業務利用には有償ライセンスが必要です。意図せず規約違反になるケースが報告されています。
セキュリティ仕様の確認:ツールによってエンドツーエンド暗号化の仕様が異なり、クラウド経由の接続では第三者サーバーを通るため情報管理ポリシーの確認が必要です。
サポート体制:海外製ツールが多く、日本語サポートが限られる場合があります。
6. セキュリティ上の重要な注意点
「とにかく接続できればいい」という状態でリモート操作環境を構築すると、後から深刻なリスクが発生する可能性があります。以下の点を必ず確認してください。
注意点① RDPポートをインターネットに直接公開しない
Windowsリモートデスクトップのポート(3389番)をルーターのポート転送で外部公開する設定は絶対に避けてください。このポートはインターネット上で常時スキャンされており、総当たり攻撃やランサムウェア侵入の経路として悪用されることが多くあります。必ずVPN経由で使用してください。
注意点② パスワードは必ず強力なものを設定する
リモートデスクトップのWindowsアカウントに「password」「123456」「名前+生年月日」のような単純なパスワードを使用しているケースが、ランサムウェア被害につながっています。12文字以上のランダムな文字列を使い、他のサービスと使い回しをしないようにしましょう。
注意点③ 多要素認証(MFA)を活用する
VPNへのログインに多要素認証(スマホ確認等)を設定することで、パスワードが漏れた場合でも不正アクセスを防ぎやすくなります。
注意点④ 社内PCのWindowsUpdateを定期的に適用する
RDPの脆弱性はセキュリティアップデートで修正されます。社内PCのWindowsUpdateを怠らないようにしましょう。
注意点⑤ 不要なときはリモートデスクトップを無効化する
長期休暇・担当者の退職・異動時にはRDP設定を無効化し、不要なアクセス経路を残さないことが重要です。
安全なリモートアクセス基盤として「だれリモVPN」をご検討ください
VPN経由でRDPを使う構成が最も安全ですが、「VPNの導入が難しそう」「ルーターの設定が分からない」「固定IPアドレスを取得しないといけないの?」という不安をお持ちの方も多くいらっしゃいます。
クラウド型リモートアクセスVPN 「だれリモVPN」 は、そのような不安を解消して設計されたサービスです。
- 専用機器「FLINT plus」を社内LANポートに挿すだけでVPN環境が整う
- 固定IPアドレス取得不要・既存ルーター設定変更不要
- 初期費用0円・初月0円・契約期間なしで試せる
- 最短2日で導入完了
- 現状Windows対応(Mac/スマホは順次対応予定)
VPN接続後はこの記事で紹介したWindowsリモートデスクトップがそのまま活用できます。
7. よくある質問(FAQ)
Q1. 社内PCがWindowsHomeですがリモートデスクトップは使えますか?
A. Windows HomeはRDPのホスト機能に非対応です。接続される側(社内PC)はWindows Pro以上が必要です。接続する側(自宅PC)はHomeでも問題ありません。社内PCがHomeの場合はChromeリモートデスクトップや専用ツールを利用する方法があります。
Q2. 社内PCの電源を入れっぱなしにしなければなりませんか?
A. 基本的に電源が入っていることが必要です。スリープや休止状態では接続できません。スリープを無効化するか、WOL(Wake-on-LAN)機能で遠隔投入できるよう構成することも可能ですが、WOLの設定には一定の知識が必要です。
Q3. 自宅がMacでも社内Windowsを操作できますか?
A. できます。MicrosoftはMac用「Microsoft Remote Desktop」アプリをApp Storeで無料配布しています。VPN接続後にこのアプリを使えばMacからWindowsのRDPに接続できます。VPNがMac対応かどうかは事前に確認してください。
Q4. 複数の社員がそれぞれ自宅から会社のPCを使いたい場合は?
A. 各社員が専用の社内PCを持っている場合は、それぞれVPN接続してRDPを使えば問題ありません。1台を複数人で共有したい場合はWindows Serverの「リモートデスクトップサービス(RDS)」が一般的ですが、サーバーライセンスとCALが別途必要です。
Q5. 操作中、会社側のモニターはどう見えますか?
A. リモートデスクトップ接続中は社内PCの物理モニターにも同じ画面が表示されます(設定で非表示にも可)。会社に残っているスタッフが遠隔操作を確認できるため、勤務透明性の観点ではメリットになります。
8. まとめ
自宅から会社のパソコンを操作する方法として、代表的な3つのアプローチを解説しました。
| 方法 | こんな人に向いている |
|---|---|
| VPN+Windowsリモートデスクトップ | セキュリティ重視・企業利用・IT環境がある程度整っている |
| Chromeリモートデスクトップ | 個人利用・社内規程で許可されている軽作業・手軽に試したい |
| 専用ツール(TeamViewer等) | 特定の機能が必要・ライセンスを適切に管理できる |
企業でのテレワーク導入において最も安全で信頼性が高い方法は「VPN経由でWindowsリモートデスクトップを使う」です。追加コストを抑えつつセキュリティを確保でき、中小企業でも導入しやすい構成です。VPN導入に障壁を感じる場合は機器を挿すだけで使えるクラウド型VPNサービスをご検討ください。
安全・簡単にテレワーク環境を整えたい企業様へ
ロリポップ!固定IPアクセスが取り次ぐクラウド型リモートアクセスVPN「だれリモVPN」 は、中小企業がかかえるVPN導入のハードルを根本から解消するサービスです。
- 専用機器「FLINT plus」をLANポートに挿すだけ
- 固定IPアドレス不要・ルーター設定変更不要・VPN非対応ルーターでもOK
- 社内側からVPNを張る方式で、社内ネットワークを外部に公開しない安全設計
- 二重VPN(AES-256/SHA-384)・ノーログ運用
- 初期費用0円・初月0円・契約期間なし、最短2日で導入
- 現状Windows対応(Mac/スマホは順次対応予定)
詳細・最新の料金プラン・お試し申し込みは以下からご確認いただけます。



