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アイオーデータNAS(LAN DISK)に外部からアクセスする方法と注意点

アイオーデータNAS(LAN DISK)に外部からアクセスする方法と注意点

使い方固定IPアクセス

「事務所のLAN DISKに、自宅や出張先からアクセスしたい」——アイ・オー・データ(I-O DATA)のNAS「LAN DISK(ランディスク)」シリーズを使っている会社では、テレワークや外回りが増えるとこうした要望が必ず出てきます。LAN DISKにはメーカー純正の外部アクセス機能が用意されていますが、仕組みや回線の条件を理解せずに使うと、つながらなかったり、意図せずNASをインターネット側に公開したりすることがあります。

この記事では、アイ・オー・データのNASに外部からアクセスする方法を、公式マニュアル・Q&Aで確認できる内容に沿って整理し、設定の流れ・注意点・安全性を比較します。過去に終了したサービスや、メーカーが公表しているセキュリティ情報もあわせて紹介します。

NASのメーカーを問わず外部アクセス方法の全体像を知りたい方は、先にNASに外出先からアクセスする方法と安全な選び方をご覧ください。


アイ・オー・データNASへの外部アクセス方法は4つ

LAN DISKに社外からアクセスする方法は、大きく次の4つに分けられます。

方法 仕組み ルーターのポート開放
Remote Link 3(純正機能) NASのRemote Link 3機能と専用アプリで接続 初期設定ではUPnPで自動開放を試みる
DDNS+ポート開放で直接公開 NASのサービスをインターネットに直接公開 必要
VPN(自社構築) VPN対応ルーター等で社内LANへ暗号化トンネルを作る 必要(VPN用ポート)
クラウド型リモートアクセスVPN 社内側からクラウドへVPNを張る 不要

ポート開放とは、ルーターの設定を変えて、インターネット側から社内ネットワークへの通信を通す「穴」を開けることです。開けた穴は自分だけでなく攻撃者からも見えるため、どの方法がポート開放を伴うかが安全性を考えるうえでの最大のポイントになります。


**Remote Link 3(リモートリンク3)**は、外出先の機器からインターネットを介してLAN DISKのデータにアクセスするための、アイ・オー・データ純正の機能です。NAS側でRemote Link 3を有効にし、接続する端末に専用アプリを入れて使います。利用にあたって追加費用はかかりません。

接続に使うアプリ

接続する端末に応じて、次の公式アプリを使います(2026年10月時点の公式情報)。

接続端末 アプリ
スマートフォン・タブレット(iOS/Android) Remote Link Files
Windows 11 Remote Link Files for Windows
Windows(11以外)・Mac LAN DISK CONNECT

Windows 11では、LAN DISK CONNECTのリモート接続時にエクスプローラーが終了・応答停止する事象があるとして、アイ・オー・データは2025年10月に後継アプリ「Remote Link Files for Windows」を公開しました。Windows 11以外の対応OSでは、引き続きLAN DISK CONNECTのリモート機能を利用できると案内されています。

設定手順の概要

機種によって画面構成は異なりますが、HDL-Hシリーズのマニュアルでは次の流れで設定します。

  1. NASの設定画面で[システム]→[パッケージ管理]からRemote Link 3パッケージを追加する(HDL-TAシリーズなどは設定画面でRemote Link 3機能を有効にする)
  2. [共有]→[Remote Link 3]で利用規約に同意し、会員情報サービス「IOPortal」の登録情報を入力して本製品を登録する
  3. Remote Link 3を「有効」にし、外部からアクセスさせたい共有フォルダーごとにRemote Link 3を有効にする
  4. [接続用PINコード]を表示し、スマートフォンのRemote Link FilesでQRコードを読み取る(PCアプリはNASと同じネットワーク内でリモート登録する)
  5. アプリにNASのユーザー名とパスワードを入力して接続する

詳細な操作は、お使いの機種の公式マニュアル・Q&Aで確認してください。

管理者向けのアクセス制御機能

Remote Link 3には、業務で使う際に役立つ管理機能も用意されています。

注意点:UPnPによるポート開放と利用環境の制約

Remote Link 3の詳細設定には「UPnP機能」の項目があり、初期値ではUPnPを使ってルーターのポート開放を試みます(ログにも「UPnPによるポート開放に成功しました」というメッセージが用意されています)。UPnPを使わない設定にした場合は、ルーターで手動のポート開放が必要になり、公式Q&Aでは設定画面で確認するTCPポート2つと、UDP 3478番・15080番を開放する手順が案内されています。

UPnP(Universal Plug and Play)は、LAN内の機器の求めに応じてルーターが自動でポートを開ける仕組みで、管理者が把握しないまま外部からの入口ができている状態につながりやすい点に注意が必要です。どの方式でも、ルーター側の転送設定は定期的に確認しておきましょう。

このほか、公式情報では次の制約が示されています。

一方で、製品ページでは、マンション契約や多段ルータ環境などグローバルIPアドレスが割り当てられない環境にも対応すると案内されています。


方法2:DDNS+ポート開放でNASを直接公開する

DDNS(ダイナミックDNS)は、変動するグローバルIPアドレスに固定のホスト名を割り当てる仕組みです。ルーターでポート開放を行い、DDNSのホスト名でNASに直接アクセスする構成は、どのメーカーのNASでも技術的には組めます。

ただし、アイ・オー・データが提供していたダイナミックDNSサービス「iobb.net」は、2024年12月末でサービスを終了しています。同社は終了の理由として、長期間の運用によりセキュリティ面の維持が困難になったことを挙げており、終了後はiobb.netのホスト名を使った外部アクセスはできません。現在この構成をとる場合は、ルーター側のDDNS機能や他社のDDNSサービスを組み合わせることになります。

注意点:NASをインターネットに直接さらすリスク

この構成は、NASの管理画面やファイル共有をインターネット上の誰からでも接続を試せる状態に置くことを意味します。公開されたポートは自動スキャンの標的になり、パスワードの総当たり攻撃や、ファームウェアの脆弱性を突く攻撃を常時受ける可能性があります。特にファイル共有用のSMB(445番ポート)の公開は、ランサムウェアの代表的な侵入経路のひとつです。

後述するとおり、アイ・オー・データ自身もLAN DISKの一部機種について、認証なしで遠隔から操作されうる脆弱性を公表しています。ポート開放がなぜ危険なのかは、NASのポート開放が危険な理由と被害事例で詳しく解説しています。

ポート開放せずに、社外からLAN DISKへアクセスする方法

「だれリモVPN」なら、専用機器をLAN DISKと同じ社内LANに挿すだけ。NASをインターネットに公開せず、固定IPもルーター設定の変更も不要です。

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方法3:VPN(自社構築)で社内LANに入ってからアクセスする

VPN(暗号化された仮想の専用線)で社内LANに入り、そこからLAN DISKにアクセスする方法です。VPN接続後は、社内にいるときと同じようにエクスプローラーなどから共有フォルダーを開けます。NASのサービスを直接インターネットに公開せずに済むのが利点です。

設定の流れ(概要)

  1. VPNサーバー機能を持つルーターを用意する(既存ルーターが非対応なら機器の入れ替えが必要)
  2. ルーターでVPNサーバーを設定し、VPN用のポートを開放する
  3. 接続先を固定するため、固定IPアドレスかDDNSを用意する
  4. 利用者ごとにVPNクライアントの設定を配布する

注意点:VPN用の入口と運用の手間は残る

NASを直接公開する方法2よりは安全ですが、VPN用ポートという入口が1つ残り、VPN機器自体の脆弱性対策やファームウェア更新も自社で担うことになります。利用者の追加・退職時の設定削除なども含め、ネットワークに詳しい担当者がいる会社向けの方法です。


方法4:クラウド型リモートアクセスVPN

クラウド型リモートアクセスVPNは、社内LANに置いた専用機器が社内側からクラウドのVPNサーバーへトンネルを張り、外出先のPCも同じクラウドへ接続して社内LANに入る方式です。通信の向きが「社内→外」のため、ポート開放も固定IPも不要で、社内ネットワークを外部に公開しません。

たとえば、だれリモVPNでは専用機器「FLINT plus」をLAN DISKと同じLANのポート(または既存ルーター)に挿すだけで導入できます。VPN非対応のルーターのままでも使え、VPN接続後は社内にいるときと同じ感覚で共有フォルダーを開けます。NASのメーカーを問わないため、LAN DISKと他社製NASが混在していても接続方法を1つにまとめられます。


4つの方法を安全性・手間で比較

項目 Remote Link 3 DDNS+ポート開放 VPN(自社構築) クラウド型VPN
NASの外部公開 初期設定でUPnPによるポート開放を試みる 直接公開 なし(VPN用ポートは開放) なし
設定の手間 低 中 高 低(機器を挿すだけ)
アクセス範囲 Remote Link 3を有効にした共有フォルダー 公開したサービス 社内LAN全体 社内LAN全体
固定IP 不要 不要(DDNS利用) 固定IPかDDNSが必要 不要
費用 無料 無料〜(DDNSによる) ルーター購入・回線費用 月額制
運用管理 低〜中 中 高 低
ビジネス利用 小規模・限定用途なら可 非推奨 ○(管理できる場合) ◎

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古いLAN DISKは外部アクセス手段が終了していることも

長く使っているLAN DISKの場合、以前の外部アクセス手段がすでに使えなくなっている可能性があります。アイ・オー・データが公式に告知している主な終了事項は次のとおりです。

時期 内容
2021年12月15日から順次 HDL2-G・HDL4-G・HDL-Sシリーズなど一部のLAN接続ハードディスクで、リモート接続サービスを終了(外からのアクセスが不可に。同じLAN内からは引き続き利用可)
2022年10月26日 PC用アプリ「Remote Link Files for PC」「Remote Link PC Sync」のサービス終了
2022年11月・2023年3月 旧アプリ「Remote Link 2」のAndroid版・iOS版の公開終了
2024年12月末 ダイナミックDNSサービス「iobb.net」のサービス終了

いずれも、販売終了から年数が経った製品ではファームウェア更新やセキュリティ維持が難しくなることが背景として説明されています。お使いの機種が対象かどうかは、公式のお知らせで確認してください。現行の対応機種は、Remote Link Filesの仕様ページに掲載されています。


アイ・オー・データが公表しているLAN DISKのセキュリティ情報

外部アクセスの方法を選ぶうえで、メーカーが公表しているセキュリティ情報も確認しておきましょう。

アイ・オー・データは2025年5月、ネットワーク接続ハードディスク「HDL-Tシリーズ」(HDL-TC500、HDL-TC1、HDL-T1NVなど)に複数の脆弱性があると公表しました。内容は、遠隔の第三者が認証なしで任意のOSコマンドを実行できるもの(CVE-2025-32002)と、認証なしで設定を変更できるもの(CVE-2025-32738)で、対策としてファームウェア1.22以降への更新を呼びかけています。

同社は、HDL-Tシリーズは販売終了から5年以上が経過しており、今後のセキュリティアップデートの予定はないとして、後継製品への買い替えの検討も案内しています。

ここから言えるのは、次の2点です。

脆弱性は修正されるまでの間、あるいは修正が出ない機種では、外部から届く経路があるだけでリスクになります。「NASを外部に公開しない」構成を選ぶことが、最も確実な対策です。


回線の条件も確認する:IPv6のみの契約とCGNAT

外出先から「つながらない」原因として多いのが、NAS側の回線の条件です。

前述のとおり、Remote Link 3系のアプリは、IPv6通信のみが提供される回線契約では外出先からアクセスできません。IPv4も使えるプランへの変更や、ルーター設定の見直しが必要になります。

また、モバイル回線やホームルーター、一部の光回線で使われるCGNAT(複数の契約者で1つのグローバルIPを共有する仕組み)の環境では、外部からの着信を受けられないため、方法2(DDNS+ポート開放)や方法3(VPN自社構築)は使えません。自社の回線がCGNATかどうかの確認方法は、CGNATとは何か・テレワークへの影響と対処法で解説しています。クラウド型リモートアクセスVPNは社内側から外向きに接続する方式のため、ポート開放ができない環境でも導入できます。


シーン別の選び方

個人や少人数で、スマートフォンから写真や資料をときどき確認する程度なら、純正のRemote Link 3が手軽です。無料で使え、接続管理機能などの管理機能もあります。利用する場合は、UPnPによるポート開放の状況を把握し、アクセスさせる共有フォルダーを最小限に絞りましょう。

業務データを日常的に社外から扱うなら、VPN経由が安心です。ネットワーク機器を自社で管理できる担当者がいればVPNの自社構築、IT専任者がいない・ポート開放をしたくない・ルーターを替えたくない場合はクラウド型リモートアクセスVPNが現実的な選択肢になります。

他メーカーのNASも使っている場合は、Synology NASの外部アクセス方法、QNAP NASのmyQNAPcloud・QVPNの注意点、バッファローNASのWebAccessの設定と安全な使い方もあわせて参考にしてください。


まとめ

アイ・オー・データのNAS(LAN DISK)に外部からアクセスする方法は、純正のRemote Link 3・DDNS+ポート開放・VPN(自社構築)・クラウド型リモートアクセスVPNの4つです。

古い機種ほど外部アクセス手段の終了や、セキュリティアップデートの終了が起きています。ファームウェアの更新とあわせて、「NASをインターネットから直接届く場所に置かない」構成を選ぶことが、業務データを守る最大のポイントです。


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よくある質問(FAQ)

無料で利用できます。LAN DISK側でRemote Link 3を有効にし、会員情報サービス「IOPortal」に製品を登録したうえで、Remote Link Files・Remote Link Files for Windows・LAN DISK CONNECTといった公式アプリ(いずれも無料)から接続します。

Q2. LAN DISKの外部アクセスにポート開放は必要ですか?

Remote Link 3は、初期設定ではUPnP機能でルーターのポート開放を自動で試みます。UPnPを使わない設定にした場合は、ルーターで手動のポート開放が必要です。NASを外部に公開する入口を作りたくない場合は、ポート開放が不要なクラウド型リモートアクセスVPNが選択肢になります。

Q3. 外出先からLAN DISKにつながりません。何を確認すべきですか?

まずNASがインターネットに接続できているか、設定画面でRemote Link 3が有効になっているかを確認します。次に回線契約を確認してください。IPv6通信のみが提供される契約では外出先からアクセスできず、プロキシが必要な環境やテザリング経由でもつながらない場合があります。

Q4. Windows 11でLAN DISK CONNECTのリモート接続が不安定です。

アイ・オー・データは、Windows 11でLAN DISK CONNECTのリモート接続時にエクスプローラーが終了・応答停止する事象を案内しており、後継アプリ「Remote Link Files for Windows」を2025年10月に公開しています。LAN DISKの接続用PINコードを使って新しいアプリに切り替えられます。

Q5. 古いLAN DISKを外部公開したまま使い続けても大丈夫ですか?

おすすめしません。古い機種では、リモート接続サービスやiobb.netがすでに終了しているほか、HDL-Tシリーズのように認証なしで遠隔操作されうる脆弱性が公表され、今後のセキュリティアップデート予定がないとされた機種もあります。ファームウェアを最新にし、NASをインターネットから直接届く場所に置かない構成にしてください。

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