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ASUSTOR NASに外部アクセスする方法|EZ-Connect・VPNを比較

ASUSTOR NASに外部アクセスする方法|EZ-Connect・VPNを比較

使い方固定IPアクセス

「事務所のASUSTOR NASに、自宅や出張先からアクセスしたい」——テレワークが当たり前になった今、こうした相談は珍しくありません。ASUSTOR NASのOS「ADM(ASUSTOR Data Master)」には外部アクセスのための機能が複数用意されていますが、どの方法を選ぶかで、NASがインターネットからどう見えるかが大きく変わります。

この記事では、ASUSTOR NASに社外からアクセスする代表的な4つの方法について、ASUSTOR公式のヘルプ・学習コンテンツ(ASUSTOR College)・セキュリティアドバイザリで確認できる内容をもとに、仕組みと注意点を整理します(2026年10月時点の公式情報)。

メーカーを問わずNAS全般の外部アクセス方法を比較したい方は、先にNASに外出先からアクセスする方法の全体像と安全な選び方をご覧ください。


ASUSTOR NASへの外部アクセス方法は4つ

ASUSTOR NASに社外からアクセスする方法は、大きく次の4つに分けられます。

方法 仕組み ルーター側の設定
EZ-Connect(Cloud ID) Cloud IDでNASを見つけて接続。直接つながらない場合は中継サーバー経由 EZ-Routerがポート転送を自動設定
myasustor.com DDNS+ポート開放 ホスト名でNASへ直接接続 ポート開放が必要
VPN Serverアプリ NASをVPNサーバーにして接続 VPN用ポートの開放が必要
クラウド型リモートアクセスVPN 社内側からクラウドへVPNを張る 不要

ポート開放(ポートフォワーディング)とは、インターネット側から届いた通信を社内の特定機器へ転送するよう、ルーターに設定することです。開けた入口は自分だけでなく、世界中の誰からも見えるため、外部アクセスの安全性を考えるうえで最も重要なポイントになります。


方法1:EZ-Connect(Cloud IDで接続)

EZ-Connectは、ADMに標準搭載されたASUSTOR独自のリモートアクセス機能です。公式の学習コンテンツでは「2ステップでリモートアクセスを設定できる」機能として紹介されています。

設定手順の概要

  1. ブラウザでADMにログインし、[設定]→[EZ-Connect]を開く
  2. [EZ-Connectサービスを有効にする]にチェックを入れて適用する
  3. 任意のCloud ID(NASを識別する名前)を入力する
  4. EZ-Connectの設定ウィザードが、ルーターの検出と設定を行う

外出先からの接続方法

公式ヘルプでは、EZ-Connectを有効にした後の接続手段として、ブラウザ・モバイルアプリ・PC用ソフトの3つが案内されています。

注意点:ルーターの自動設定と中継時の速度

EZ-Connectは「ポート開放のいらない中継サービス」とは少し性格が異なります。ASUSTORの発表によると、Cloud IDを有効にするとEZ-Routerというサービスも自動で有効になり、ルーターのポート転送を自動で設定します。公式ヘルプによると、EZ-RouterはUPnP/NAT-PMP(ルーターの設定を機器側から自動で変更する仕組み)に対応したルーターで動作します。

また公式ヘルプでは、ezconnect.toはまずLAN IPまたはEZ-Routerでの接続を試み、失敗した場合に中継(リレー)サーバーを使うと説明されています。中継経由の接続は、直接接続より時間がかかり、速度も遅くなる場合があるとされています。

つまりEZ-Connectは、設定の手間を減らしてくれる一方で、ルーターが自動設定に対応していればルーターに外部からの入口が作られる仕組みです。手軽さと引き換えに何が起きているかを理解したうえで使うことが大切です。


方法2:myasustor.com DDNS+ポート開放

ASUSTOR Collegeによると、EZ-Connect(Cloud ID)を有効にすると、ADMは (Cloud ID).myasustor.com というDDNS(変わるグローバルIPアドレスに固定のホスト名を割り当てる仕組み)も有効にします。外出先からは https://(ホスト名):(ADMのHTTPSポート番号) のようにアクセスします。

設定手順の概要

  1. EZ-ConnectでCloud IDを設定し、myasustor.comのホスト名を有効にする
  2. ルーターのポートフォワーディング設定で、ADMのポート(既定はHTTP 8000番・HTTPS 8001番)をNASのローカルIPへ転送する(EZ-Routerによる自動設定も可)
  3. 外出先からホスト名とポート番号を指定してアクセスする

ASUSTORの公式ニュースレター(2022年8月号)では、myasustor.comのDDNSはezconnect.toやEZ Connectに比べて高速かつ安定しており、ADMの機能をフルに使えると紹介されています。

注意点:ADMの管理画面をインターネットに公開する構成

速度や機能面で有利な反面、この方法はADMの管理画面をインターネットに直接公開することを意味します。公開されたポートは自動スキャンの標的になり、パスワード総当たりや脆弱性を突く攻撃を受け続ける可能性があります。ポート開放そのもののリスクは、NASのポート開放が危険な理由と被害事例で詳しく解説しています。


ASUSTOR NASを狙ったランサムウェア「DeadBolt」

ASUSTOR NASでは、2022年にランサムウェア「DeadBolt」による被害が発生し、ASUSTORが公式のセキュリティアドバイザリを公開しています。

2022年2月の攻撃(AS-2022-002)

アドバイザリ AS-2022-002 によると、2022年2月21日から一部のASUSTOR NASがDeadBoltの攻撃を受けました。感染したNASではファイルが暗号化されて拡張子が「.deadbolt」に変更され、ADMのログイン画面が身代金を要求する画面に置き換えられました。ASUSTORは、ADM 4.0系・3.5系それぞれの修正版への更新を案内しています。

2022年6月の再攻撃(AS-2022-008)

同年6月10日には、新たなDeadBoltによる攻撃が始まったとしてアドバイザリ AS-2022-008 が公開され、ASUSTORは緊急のADM更新を提供しました。

公式が推奨した対策

2つのアドバイザリでは、共通して次の対策が推奨されています。

既定ポートの変更や不要サービスの停止が並んでいることからもわかるとおり、外部から届く入口をできるだけ減らすことと、万一のときに復旧できる備えの両方が求められています。NASのランサムウェア対策を全体的に見直したい方は、NASを狙うランサムウェアへの対策をまとめた記事も参考にしてください。

ADMの管理画面を公開せずに、社外からNASへアクセスする方法

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方法3:VPN Serverアプリ

ASUSTORのApp Central(ADMのアプリストア)では、NAS自体をVPNサーバーにできる「VPN Server」アプリが提供されています。公式のアプリ紹介によると、対応プロトコルはPPTP・OpenVPN・L2TP/IPsec・WireGuardで、接続状況をその場で確認し、不審な接続を切断する機能もあります。対応機種はアプリごとに決まっているため、お使いのモデルが対象かApp Centralで確認してください。

VPN(暗号化された仮想の専用線)でまず社内LANに入り、そこからNASへアクセスするため、ADMの管理画面を直接公開せずに済みます。PPTPは古い方式で暗号化強度に課題が指摘されているため、実用上はWireGuard・OpenVPN・L2TP/IPsecから選びます。

設定手順の概要

  1. App Centralから「VPN Server」をインストールする
  2. 使用するプロトコルを有効にし、接続を許可するユーザーを設定する
  3. ルーターのポートフォワーディングで、VPN用ポートをNASのローカルIPへ転送する
  4. 接続する各端末のVPNクライアントに設定を行い、接続を確認する

注意点:VPN用の入口と運用管理は残る

管理画面を丸ごと公開する方法2より安全性は大きく高まりますが、VPN用ポートの開放は必要で、社内ネットワークへの入口が1つ残ります。接続先を固定するためのDDNS運用、利用者ごとの設定配布、退職時のアカウント停止なども自社で担うことになり、ネットワークに詳しい担当者がいない環境では負担になりがちです。


方法4:クラウド型リモートアクセスVPN

クラウド型リモートアクセスVPNは、社内LANに置いた専用機器が社内側からクラウドのVPNサーバーへトンネルを張り、外出先のPCも同じクラウドへ接続して社内LANに入る方式です。通信の向きが「社内→外」なので、ポート開放も固定IPも不要で、NASを含む社内ネットワークを外部に公開しません。

たとえば、だれリモVPNでは専用機器「FLINT plus」をNASと同じLANに挿すだけで導入できます。VPN非対応のルーターでも使え、NASのメーカーを問わないため、ASUSTORと他社製NASが混在する環境でも接続方法を1つにまとめられます。


4つの方法を安全性・速度・手間で比較

項目 EZ-Connect DDNS+ポート開放 VPN Server クラウド型VPN
NASの見え方 自動設定でルーターに入口ができる場合あり 管理画面を直接公開 VPN用の入口のみ 外部公開なし
安全性 中 低 高(要・適切な設定) 高
速度 環境依存(中継時は低下) 高 高 中〜高
設定の手間 低 中 高 低(機器を挿すだけ)
ルーター設定 EZ-Routerで自動 必要 必要 不要
運用管理の負荷 低 中 高 低
ビジネス利用 △ 非推奨 ○(管理できる場合) ◎

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回線がCGNATだと、ポート開放型の方法は使えない

見落とされがちなのが回線側の制約です。モバイル回線・ホームルーター・一部の光回線では、CGNAT(複数の契約者で1つのグローバルIPアドレスを共有する仕組み)が使われていることがあり、この場合は外部からの接続をそもそも受けられません。

CGNAT環境では、ポート開放を前提とする方法2(DDNS+ポート開放)と方法3(VPN Server)は利用できません。社内側から外向きに接続するクラウド型リモートアクセスVPNであれば、CGNAT環境でも利用できます。


シーン別の選び方

個人利用で、写真や書類をたまに見る程度なら、EZ-Connectの手軽さは魅力です。ただし、ルーターに自動で入口が作られる仕組みであることは押さえておきましょう。

業務データを日常的に扱うなら、VPN経由を推奨します。ネットワーク設定に慣れた担当者がいて、ポートやアカウントを自社で管理できるならVPN Serverアプリが有力です。IT専任者がいない、ルーターの設定を触りたくない、複数メンバーの管理を簡単にしたいという場合は、クラウド型リモートアクセスVPNが現実的な選択肢になります。

なお、他メーカーのNASを使っている場合は、Synology NASの外部アクセス方法、QNAP NASの外部アクセスと注意点、バッファローNASのWebAccessの使い方をそれぞれ参考にしてください。


どの方法でも必ずやっておきたい設定

ASUSTOR公式は、EZ-Connectの解説やDeadBoltのアドバイザリの中で、次のようなセキュリティ設定を推奨しています。外部アクセスを有効にする前に確認しておきましょう。

あわせて、ADMには2段階認証(パスワードに加えて、スマートフォンの認証アプリのワンタイムコードでログインする仕組み)も用意されています。管理者アカウントでは有効にしておくと安心です。


まとめ

ASUSTOR NASへの外部アクセスは、EZ-Connect・myasustor.com DDNS+ポート開放・VPN Serverアプリ・クラウド型リモートアクセスVPNの4つから選びます。

DeadBoltの被害が示すように、NASを安全に使う最大のポイントは「外部から届く入口をできるだけ作らない」ことです。ADMの更新やバックアップとあわせて、NASを公開しない接続方式を選びましょう。


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よくある質問(FAQ)

Q1. EZ-Connectを使えば、ルーターのポート開放は不要ですか?

自分でポート開放の設定をする必要はありませんが、ルーターに外部からの入口が作られないとは限りません。ASUSTORの発表によると、Cloud IDを有効にするとEZ-Routerが有効になり、対応ルーターではポート転送が自動設定されます。直接つながらない場合は中継サーバー経由になり、速度が遅くなることがあります。

Q2. ezconnect.toとmyasustor.comは何が違いますか?

ezconnect.toはCloud IDでNASを見つけて接続する入口で、直接つながらない場合は中継サーバーを使います。myasustor.comはCloud IDに対応するDDNSのホスト名で、ASUSTORの公式ニュースレターではezconnect.toより高速・安定でADMの機能をフルに使えると紹介されています。ただしNASへ直接接続するため、ポート転送が前提になります。

Q3. ASUSTORのVPN Serverはどのプロトコルに対応していますか?

App Centralの公式アプリ紹介では、PPTP・OpenVPN・L2TP/IPsec・WireGuardに対応しています(2026年10月時点)。PPTPは暗号化強度に課題がある古い方式のため、WireGuard・OpenVPN・L2TP/IPsecから選ぶのが無難です。対応機種はApp Centralで確認してください。

Q4. DeadBoltのようなランサムウェアを防ぐには何をすればよいですか?

ASUSTOR公式のアドバイザリでは、ADMの更新、強力なパスワードへの変更、HTTP・HTTPSの既定ポートの変更、使わないサービスの停止、定期的なバックアップが推奨されています。あわせて、ADMの管理画面をインターネットに直接公開しない接続方式を選ぶことが有効です。

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