固定IPアドレスを一つだけでなく複数使いたいケースは、企業やIT管理者にとって珍しくありません。
たとえばチームや部門ごとに異なるIPアドレスを割り当ててアクセス制御を行いたい場合、テレワーク中の社員や複数拠点から社内システムへセキュアに接続したい場合、あるいは用途ごと(管理用、API連携用など)にIPアドレスを使い分けたい場合などです。
こうした場面では、複数の固定IPアドレスを取得・管理する方法を知っておくことが重要です。
本記事では、複数の固定IPを手に入れる手段として大きく2つの方法を比較します。
ひとつは従来のISP(プロバイダ)契約によって固定IPを複数取得する方法、もうひとつはVPN型の固定IPサービスを活用する方法です。
それぞれの手続きや制約、コストを詳しく解説し、最後に手軽で柔軟な取得法としてロリポップ!の「固定IPアクセス」サービスをご紹介します。
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複数の固定IPアドレスが必要になるケースとは
まず、どのようなケースで複数の固定IPアドレスが求められるのかを整理します。
固定IPを複数利用する典型的な場面には、次のような例があります
- チーム・部署単位でのアクセス管理 社内システムへのアクセス元をチームごとのIPアドレスに限定することで、不正アクセスを防ぎつつアクセスログの管理を容易にします。 部署A用・部署B用とIPアドレスを分けておけば、どの部署からの通信か一目でわかります。
- 拠点ごとのセキュア接続 本社と支社、あるいは異なるオフィス間でVPN接続を構築する際に、それぞれの拠点に固定IPを割り当てておけば、拠点間通信を限定して安全性を高められます。 テレワーク拠点から社内ネットワークにアクセスする場合も、接続元を固定IPにすることでセキュリティを強化できます。
- 用途ごとのIP使い分け 一つのネットワーク内で複数のサービスを運用する際、サービスごとに異なる固定IPを付与しておくと便利です。 例えば、管理者用のリモート接続にはIPアドレスA、外部のAPI連携にはIPアドレスBというように分けておけば、用途別にアクセス制限や通信経路を分離できます。
このように複数の固定IPアドレスが必要となるケースでは、それらのIPをいかに取得・運用するかが課題になります。
次章から、その具体的な方法と比較を見ていきましょう。
ISP契約で複数の固定IPアドレスを取得する方法と課題
まず、従来からある方法であるインターネットプロバイダ(ISP)経由で固定IPアドレスを取得するケースを考えます。
一般的な固定IPオプションでは、多くのISPで1契約につき1個の固定IPしか提供されません。
たとえば @niftyの固定IPオプションのFAQでも「固定IPアドレスは1つのみの提供となります」と明記されています。
そのため、複数のIPアドレスが欲しい場合には通常の契約では不十分です。
ではISPから複数の固定IPを得るにはどうすれば良いのでしょうか?主な方法として以下の選択肢があります
- 法人向けプランを利用する 大手ISPの中には、法人契約向けに複数の固定IPアドレスを割り当てる特別なプランを用意している場合があります。 例えばOCNでは、法人向けサービスで8個のグローバルIPアドレスを利用できる「IP8」や16個の「IP16」といったプランを提供しています。 こうしたプランを契約すれば一度に複数IPを取得可能です。ただし、契約手続きが煩雑で費用も高額になる傾向があります。 実際、OCN光「フレッツ」では単一IPの固定IP1プランが月額約6,800円~でWebから申し込めるのに対し、8個のIPを持つ固定IP8プランは初期費用8,500円、月額15,800円~と料金も大幅に上がり、申し込みも原則問い合わせ・相談ベースになります。 複数IPプランは個人向けには提供されず企業契約前提となるケースが多く、導入ハードルが高いと言えます。
- 複数回線・複数契約で対応する ISP側で単一IPしか提供されない場合、物理的に回線や契約を複数用意してそれぞれに固定IPオプションを付けるという方法も考えられます。 しかし、この方法はコスト面でも運用面でも非効率です。たとえば2つの固定IPが欲しければ回線を2契約する必要があり、月額料金や回線使用料も二重にかかります。 中小企業や個人利用では現実的ではないでしょう。また、契約を複数に増やすと管理も煩雑になります。
以上のように、ISP経由で複数の固定IPアドレスを確保しようとすると高コスト・長い導入期間・契約手続きの手間といった課題に直面します。
実際、NTTコミュニケーションズ(現NTTドコモ)の法人向け固定IPサービスでも「複数IPを契約したい場合には追加の有料オプション契約が必要になる」場合があると述べられているほどで、必要数に応じて柔軟に増減するのは容易ではありません。
さらに技術的にも、ひとつのルーターに複数のグローバルIPを割り当てる場合はネットワーク設計やルーティング設定が必要で、一般的な固定IP1つを使う場合に比べて難易度が上がります。
そのため「今すぐ複数の固定IPが欲しい」「必要な数だけ手軽に使いたい」といったニーズには、ISP契約だけでは応えにくいのが現状です。
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VPN型固定IPサービスで複数の固定IPを手軽に利用する方法
上述のようにISP経由で複数IPを入手するのはハードルが高いため、近年ではVPN型の固定IPアドレスサービスを利用する方法が注目されています。
これは、現在お使いのインターネット接続に追加でVPNサービスを契約し、VPNサーバー経由で固定IPを利用するタイプのサービスです。
プロバイダや回線を変更せずに使えるため、モバイル回線や他社ISP環境からでも手軽にグローバル固定IPを取得できます。
VPN型サービスを使うメリットは、複数IPの利用に関してISP契約の弱点を補ってくれる点です。具体的な利点を見てみましょう。
- 必要な数だけ契約できる柔軟性 VPN型固定IPサービスでは、欲しいIPアドレスの数だけライセンスやアカウントを契約することができます。 例えばインターリンク社の「マイIPソフトイーサ版」では固定IPを1個~128個まで必要に応じて追加可能で、料金も月額1,320円×固定IP数というシンプルな体系です。 ISPのように「8個単位でしか増やせない」といった制約がなく、2個でも3個でも必要な分だけ契約できます。 不要になれば減らすことも容易で、このスケーラビリティの高さは大きな魅力です。
- 低コストで始めやすい VPN型サービスは総じて価格が安く設定されています。 たとえばフリービット社の「どこでもIP」は1IPあたり月額550円(税込)、初期費用0円という低価格で提供されています。 同様にインターリンクの「マイIP」も1IPで月額1,100円(税込)程度から利用可能です。 さらに2025年にGMOペパボから登場した「ロリポップ!固定IPアクセス」は1固定IPあたり月額539円(税込)と国内最安級の料金設定になっています。 プロバイダの法人向け複数IPプラン(数万円規模)と比べ、桁違いに安価で複数契約してもコストを抑えられるのが利点です。
- 導入が簡単・スピーディー 通常、VPN型サービスはオンラインで申し込みが完結し、申し込んだその日から利用開始できるものがほとんどです。 実際、「ロリポップ!固定IPアクセス」では事業者登録も不要でWeb申し込み後即日で固定IPの発行と利用開始が可能です。 面倒な工事やプロバイダ変更も必要なく、指定のVPNクライアント(多くの場合WireGuardなどのアプリ)をインストールし、提供された設定ファイルを読み込むだけで接続できます。 ISP経由で新たに固定IPを取得する場合に比べ、圧倒的に短期間かつ手軽に始められます。
- 場所や回線に依存せず使える VPN型固定IPサービスは、現在利用しているインターネット接続に上乗せして使う形のため、利用場所や回線種類を選びません。 自宅の光回線からでも、カフェのWi-Fiや4G/LTEのモバイル回線からでも、VPNに接続さえすれば常に同じ固定IPアドレスが割り当てられます。 これにより、「会社のネットワークからのアクセスのみ許可」というようなIP制限があるシステムにも、自宅や出先から安全にアクセス可能になります。 テレワークや出張先から社内システムにアクセスする際にも重宝するでしょう。
- 高いセキュリティと安定性 VPN経由で通信が暗号化されるため、セキュリティ面でも安心です。 WireGuardなど最新のVPNプロトコルに対応したサービスが多く、高速かつ安定した通信を実現しています。 ISPから直接固定IPをもらう場合と比べても遜色ない速度で利用できたという声もあり、運用上のデメリットは小さいと言えます。 万一VPNが切断しても自動再接続機能で継続して利用できるなど、サービスによっては利便性を高める工夫も凝らされています。
以上のように、VPN型の固定IPサービスを利用すれば低コストかつ迅速に複数の固定IPアドレス環境を構築できます。
ISP契約の場合と対比すると、その手軽さと柔軟性が際立ちます。
▼ ISP契約とVPN型サービスの比較ポイント(まとめ)
- 導入スピード ISP経由の固定IP取得は申込から開通まで日数がかかることがあります。 VPNサービスならオンライン申込後ほぼ即座に利用可能。
- コスト ISPで複数IPを得ようとすると高額プラン契約や複数回線が必要。 VPNサービスなら1IPあたり数百~千円程度で、必要な数だけ契約できる。
- 柔軟性 ISPの複数IPプランは固定的で増減しにくい(例:IP8単位)。 VPNサービスは必要に応じてIPや接続ライセンスを追加・削減しやすい。
- 利用環境 ISPの固定IPは特定の回線に紐づくため場所を選ぶ。 一方、VPN経由ならどの回線・端末からでも同じ固定IPを利用可能。 テレワークやモバイル環境で真価を発揮。
このような理由から、現在では「固定IPが複数欲しいならVPNサービスを活用する」という選択肢が広く採用されつつあります。
それでは、数あるVPN型固定IPサービスの中でも特に手軽で優れた「ロリポップ!固定IPアクセス」について、特徴と活用ポイントを見てみましょう。
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ロリポップ!固定IPアクセスなら必要な分だけ固定IPを同時利用可能
ロリポップ!固定IPアクセス(GMOペパボ)は、2025年に提供が開始された新しい固定IPアドレスのVPNサービスです。
月額539円(税込)という国内最安級の料金で1つの固定IPが利用でき、個人・法人を問わず誰でも申し込み当日から使い始めることができます。
初回の1つ目のIPアドレスについては最大2ヶ月間の無料お試し期間も用意されており、導入ハードルは非常に低くなっています。
ロリポップ!固定IPアクセスが他サービスと比べてユニークなのは、1つの固定IPアドレスを複数人・複数端末で同時利用できる点です。
標準では1ライセンス=1接続ですが、必要に応じて追加ライセンス(接続アカウント)を発行することで、同じ固定IPに対して複数のユーザーが同時接続できます。
例えばチーム全員で一つの固定IPを共有し、全員が同時にそのIP経由でアクセスするといった使い方も可能です。
ライセンス数の追加・削除は1単位から柔軟に行えるため、ユーザー数の変動にも無駄なく対応できます。
小規模チームから大規模企業まで、必要な分だけ契約すれば良いという運用のしやすさは大きなメリットでしょう。
では、「複数の固定IPが欲しい」場合にはロリポップ!固定IPアクセスでどうすればよいでしょうか。
方法はシンプルで、必要な数だけ固定IPアドレス契約を追加すればOKです。各固定IPごとにライセンス(接続アカウント)を紐づけられるので、例えば「IPアドレスAを管理部門用、IPアドレスBを開発部門用」といった使い分けも簡単です。
従来のISP契約のように契約プラン全体を見直す必要はなく、欲しいIPアドレスの数だけ低コストで揃えられる点は非常に手軽です。
まとめると、ロリポップ!固定IPアクセスは導入の容易さ、スピード、コスト、柔軟性のすべてにおいて優れたサービスだと言えます。
複数の固定IPアドレスが必要なケースで、従来は高コスト・長期戦になりがちだった課題も、このサービスを使えばスピーディーかつ安価に解決できます。
チームや拠点ごとにIPを使い分けたい企業や、複数の用途で固定IPを活用したいユーザーにとって、最適なソリューションの一つがロリポップ!固定IPアクセスでしょう。