「ご利用のIPアドレスでの利用は規制中です」「アクセスが制限されています」——こうした表示でサービスに入れなくなったとき、まず知りたいのはなぜブロックされたのかと自分で解除できるのかの2つです。
結論から言うと、IP制限の解除ができるのはそのサービスの管理者だけです。利用者側でできるのは、原因を切り分けて正しい相手に連絡することと、接続元を変えることです。
そして原因は、大きく次の3つに分かれます。
| 原因 | 症状 | 対処 |
|---|---|---|
| ① 許可リストに載っていない | 社内からは入れるが自宅から入れない | 許可されたネットワーク経由で接続する/管理者に登録を依頼 |
| ② 自分のIPアドレスが変わった | 昨日まで入れたのに今日入れない | 管理者に新しいIPアドレスの登録を依頼/固定IPにする |
| ③ 攻撃とみなされて自動遮断された | 突然すべてのアクセスが拒否される | 時間をおく/サービス側に解除を依頼 |
この記事では、それぞれの見分け方と対処を解説します。
まず確認:どのタイプのブロックか
自分のIPアドレスと、別回線での挙動を確認する
切り分けの第一歩は、同じ端末でネットワークだけ変えて試すことです。
どの回線でも入れない → アカウント側の制限や③の可能性。
エラーメッセージから読み取る
| 表示 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 「ご利用のIPアドレスでの利用は規制中です」 | サービス側の自動遮断(③)が多い |
| 「許可されていないIPアドレスです」「アクセス元が制限されています」 | 管理者が設定したIP制限(①②) |
| 403 Forbidden のみ | サーバー側のIP制限(①②)。CDNやWAFの場合もある |
| ログイン画面までは出るがログイン後に弾かれる | SaaS側の条件付きアクセス・IP制限(①②) |
原因別の対処法
① 許可リストに載っていない場合
社内システムやSaaSが「オフィスのIPアドレスからだけ許可」という設定になっているケースです。自宅や出張先から接続すると当然弾かれます。
利用者側の対処
- 会社が用意しているVPNに接続してからアクセスする(もっとも一般的な解決策)
- オフィスに出社してアクセスする
- 管理者に、自分のアクセス元IPアドレスの登録を依頼する
管理者側の対処
許可リストに追加します。ただし、個人の自宅回線のIPアドレスを1件ずつ登録する運用は勧められません。自宅回線の多くは動的IPで番号が変わるため、登録した翌週にはまた入れなくなります。後述の根本対策を検討してください。
② 自分のIPアドレスが変わった場合
「昨日まで使えていたのに今朝から入れない」というパターンです。ルーターの再起動、回線の切断、プロバイダ側の割り当て更新でIPアドレスが変わると、許可リストから外れて締め出されます(IPアドレスが変わるのはなぜ?)。
対処は管理者に新しいIPアドレスを伝えて登録し直してもらうことですが、これは対症療法です。 同じことが何度も起きます。
③ 攻撃とみなされて自動遮断された場合
ログイン失敗の連続、短時間の大量アクセス、レンタルサーバーの負荷制限などで、サービス側が自動的にIPアドレスを遮断することがあります。共有回線を使っている場合、同じIPアドレスを使う別の誰かの行為が原因ということもあります。
- 一定時間で自動解除される場合が多いため、まず数十分〜数時間おいて再試行します
- 解除されない場合は、サービスの問い合わせ窓口にアクセス元IPアドレスと発生日時を添えて連絡します
- レンタルサーバーの管理画面に「アクセス制限の解除」機能が用意されていることもあります
やってはいけないこと
ブロックされたからといって、IPアドレスを変えて回避しようと試行を繰り返さないでください。攻撃と判定されて制限が強化されたり、アカウント自体が停止されたりする可能性があります。
業務で必要なアクセスなら、正規の窓口(社内の管理者、サービスのサポート)に連絡するのが最短です。
管理者向け:IP制限を解除・一時解除する
自分が管理者側で、設定を戻したい場合の一般的な手順です。
| 対象 | 解除する場所 |
|---|---|
| Microsoft 365 | Entra ID の条件付きアクセスでポリシーを無効化、または名前付きの場所を修正(詳細) |
| SharePoint / OneDrive | SharePoint管理センターの「アクセス制御」>「ネットワークの場所」(詳細) |
| Webサーバー(nginx) | 該当 location の allow / deny を修正して reload(詳細) |
| AWS CloudFront | Web ACL のルール、または CloudFront Functions を修正(詳細) |
| API Gateway | リソースポリシーを修正して再デプロイ(詳細) |
自分が締め出されている場合
IP制限は管理画面にも効くことがあります。SharePointのネットワークの場所ベースのポリシーは管理センターとPowerShellの両方に効くため、許可範囲外にいると自力では戻せず、サービス提供元への連絡が必要になります。
設定を入れる前に、緊急アクセス用のアカウントや経路を必ず用意してください。
ネット銀行など、利用者が自分で解除できるケース
一部のサービスでは、登録済みのメールアドレスや電話番号による本人確認を経て、利用者自身がIP制限(アクセス制限)を解除できる仕組みが用意されています。ネット銀行の「IPアドレス制限」機能などが該当します。この場合は各サービスの公式ヘルプに解除手順が案内されているので、そちらに従ってください。第三者のサイトに書かれた手順や、解除を代行するといった案内には従わないでください。
締め出しを根本的に防ぐ
①②のパターンは、アクセス元IPアドレスが人や場所ごとにバラバラで、しかも変わることが原因です。裏を返せば、全員のアクセス元IPアドレスを1つの固定IPアドレスに揃えれば起きなくなります。
ロリポップ!固定IPアクセスは、GMOペパボが提供するVPN型の固定IPアドレスサービスです。専用アプリに設定ファイルを読み込むだけで、オフィス・自宅・出張先のどこから接続しても同じ固定グローバルIPアドレスになります。
- 許可リストに登録するIPアドレスは1つだけ。人が増えても、引っ越しても、回線が変わっても登録内容はそのまま
- 管理者が「また誰かのIPが変わった」と対応に追われる状況がなくなります
- 回線工事もプロバイダ変更も不要で、最短即日から使えます
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IP制限の解除に関するよくある質問
IP制限は利用者側で解除できますか?
原則できません。IP制限を設定しているのはサービス側なので、解除できるのはその管理者だけです。例外として、本人確認を経て利用者自身が解除できる仕組みを持つサービスもあります。その場合は公式ヘルプの手順に従ってください。
「ご利用のIPアドレスでの利用は規制中です」と出ました。どうすればよいですか?
サービス側の自動遮断である可能性が高い表示です。まず時間をおいて再試行し、それでも解除されない場合はサービスの問い合わせ窓口に、表示されたメッセージ・アクセス元のグローバルIPアドレス・発生日時を添えて連絡してください。
VPNを使えばIP制限を回避できますか?
会社が用意したVPNや、許可されたIPアドレスを持つVPNサービスに接続する場合は、正規の手段としてアクセスできるようになります。一方、許可されていないサービスの制限を迂回する目的でVPNを使うのは利用規約違反にあたる可能性があるため、行わないでください。
IPアドレスが変わるたびに管理者へ連絡するのは避けられませんか?
避けられます。全員が同じ固定グローバルIPアドレスを経由して接続する構成にすれば、許可リストに登録するIPアドレスが1つで固定されるため、変更のたびの申請そのものがなくなります。
一時的にIP制限を外して作業したいのですが問題ありますか?
外している間は誰でもアクセスできる状態になるため、リスクがあります。どうしても必要な場合は、対象を特定のユーザーやパスに限定する、作業時間を区切る、作業後に戻したことを確認する、といった手順を決めておいてください。恒常的に社外から作業する必要があるなら、制限を外すのではなく固定IP経由で接続できるようにするほうが安全です。
まとめ
IP制限でブロックされたときは、別回線から試して原因を切り分けるところから始めてください。許可リストに載っていないのか、自分のIPアドレスが変わったのか、自動遮断なのかで対処が変わります。
そして、①②のパターンが繰り返し起きているなら、それは運用の設計の問題です。アクセス元IPアドレスを1つに揃えることで、締め出しも、管理者への申請も、まとめてなくすことができます。
IP制限そのものの仕組みはIP制限(IPアドレス制限)とは?仕組みと設定方法を解説をご覧ください。




